ヤンキー探偵☆奇薔薇  ~第一話~

第一話 「ヤンキー探偵参上!」

ここは、宮城県仙台市。今日も街は車と人混みでにぎわっている。そんな人混みの中、我が道を行く一匹狼な性格の高校生の青年:奇薔薇翔が今日も一人でポケットに手を突っ込んで歩いていた。
「あー・・・。人混みつまんねぇ・・・・。道を見るどころか、人を見てばかりで気持ちわりぃっ・・・・。さっさと渡って歩いて事務所に帰るか・・・。」と一人でブツブツ言っていた。

するとアーケード内の中から、「キャーッ!!」と女性の悲鳴が聞こえた。翔は事件の匂いがすると思い、その場に駆けつけた。
「あの、どうしました?」と翔は悲鳴を上げた女性に声を掛けた。
「や、ヤンキー⁉不良⁉・・・あ、そんなことより大変なんですよ!カフェ側の通りを見てください!あそこに、男性の定員さんが血を流して倒れているんです!」と女性は事件の起こった場所に指をさした。すでに事件の起こった場所は、警察が捜査していた。
「・・・・。最近ここのカフェの不審死が多いな・・・・。もしかして、それも今のと関係が・・・!」と翔がテープの中をくぐって事件の起こった場所で考えていると、警察が険しい顔をしながら見ていた。

アーケード内で起きている事件のことをスマホで事務所に伝えた。

ープルルルルルッー(電話の音)
「君、不良グループの番長の奇薔薇翔だよな。今この場所は捜査中だから、関係者以外立ち入り禁止だ。」
「は?関係者だし、俺は探偵だ。ヤクザの親父の事務所で探偵をやっている。親父はヤクザから足を洗って、探偵社の社長だ。」と翔は警察にタメ口で言った。周りの人達は、翔が探偵かどうかを疑っていた。それはそうだろう。翔の家族は母は元レディース組の番長であり、マフィアの父の娘、父がヤクザの組長、姉がレディース組の梅園の元一員。息子で弟である翔も不良グループの獣道の元番長という不良一家。街の人が疑いをかけるのも無理はない。
「この子、本当に探偵なの?髪の色も派手だし、性格もとがってるわね・・・。」
「奇薔薇家の家族も不良一家って噂を聞くしねぇ~。」
「でも今は、息子さんもその親父も不良やヤクザから辞退して、探偵事務所を開いて探偵をやっているらしいぞ。」と周りの人達は、翔に聞こえるように噂をしたが、翔はそれを気にせず事件が起きた
「あ、もしもし親父?今街中を歩いてたらさ、アーケードのカフェの入り口前で男店員が倒れていたんだが、これも前の不審死事件と繋がっているのか?」と翔は、元ヤクザで探偵社の社長である父に事件のことを聞いた。
<ああ、そうだ。この事件もこの間同じアーケード内の喫茶店で起きた事件と繋がっている。>
「マジか・・・。でも、何でその事件がいつも喫茶店狙いばかりなんだ・・・?ってか、犯人は捕まってないのか?」
<現在犯人はまだ捕まっていない。きっとバレないように犯行をしたに違いない。平和のためにも犯人の証拠品を拾ったり、犯人の知り合いや周りの人に聞いてみるといい。>
「わかった。いち早く犯人を見つけられるように頑張る。詳しくわかったら、親父に知らせるから。」

ーピッー(通話を切る音)
「さて、証拠品を集めて、推理開始だな。」翔はスマホをバッグにしまい、事件が起こった現場であるカフェの中に入った。警察は、翔がカフェに入っていくのを睨みながら見ている。
「アイツ、カフェに入って何をする気だ?早く止めないと、さらに事件が起きるぞ!」
「どうします!?古畑菜刑事!」と警察二人が慌てていると、古畑菜刑事は冷静にこう言った。
「二人共落ち着け。嘘に見えるかもしれないが、アイツは本当の探偵だ。中学の頃まではヤンキーの不良少年だったけどな。」

「マジすか⋯。本当に探偵だったんスね。」
「ヤンキーと探偵って、何か斬新だなぁ⋯。」と警察二人は納得した。
「俺、ちょっと奇薔薇のところに行って、一緒に捜査してくる。」
「は、はい!刑事!わかりました!外のことは、私達に任せてください!」と警察官の二人が言った後、古畑菜刑事は事件の起こった店の中に入り、翔と共に捜査をした。
事件の起こったカフェは緊急閉鎖し、ブルーシートやテープが貼られていた。まずは、被害者の男性店員がいた厨房を調べた。
「ここが厨房か⋯。店員しか入れない場所だから、一番怪しいな⋯。刃物もあるしな。」
「確かにな。翔の言う通りだ。容疑者が同じ職場の店員なら、事件がこの部屋で起きてもおかしくない。後は、社員用ロッカーや休憩室もな。」翔と古畑菜刑事は、お互いに推理をし、証拠品を探しながら捜査をした。
「私は厨房室を調べるから、翔君は、休憩室と社員用ロッカーの中身を調べてくれないかな?」
「はい。分かりました。何かあれば連絡します。」と古畑菜刑事は厨房室を、翔は社員用ロッカーと休憩室と別行動になって調べた。
さっそく翔は社員用ロッカーと休憩室に行き、証拠品を見つけながら推理を始めた。
「一番ロッカー、異常なし。、ニ番ロッカー、異常なし⋯。」と翔は従業員のロッカーの中身を一つずつ数えながら調べた。
「ここにはちゃんと防犯カメラはあるな。けど、防犯カメラの電源が切れているな。犯人はきっと、自分がやったとバレないように証拠を消そうとしたんだ。残りのロッカーも調べるぞ。」と言って、まだ調べていないロッカーを調べた。
「ラスト九番ロッカーの中身はっ・・・・と、っ⁉」九番ロッカーの中身を調べた途端怪しい物が発見したため、翔は目を丸くしてみていた。
「・・・これは・・・、スズランの花と薬を粉末状にする道具・・・。もしかして、これで犯人は毒殺をしようと企んでいたのか・・・⁉その他にも何か日記とかがあるな。」翔は毒殺に使う怪しい道具の下にあった日記を読んだ。すると日記には、異常な内容のものが沢山あった。
「6月11日、加藤聡が突然私に別れを告げた。、6月12日、加藤 聡は他の女と楽しく話をしていた。、6月13日、加藤聡は私の話を聞かずにスマホばかりを見ていた。6月15日、私は加藤聡に復讐するため、色んな毒の植物を沢山調べた。6月20日、色々調べた結果、効果的なのは、スズランの花だった。6月22日、近くのインテリア用品の店から、硬いものをすり潰せる道具を2個買った。6月25日、早速試しに道具でスズランの粉末薬を作って、バレないように袋に入れた。6月28日、喫茶店に働いている現在の聡の彼女を殺害。6月29日、行った先のカフェの店員が無能なため、殺害。6月30日、最近SNSで大人気のカフェに行ったけど、ドリンクの味がゲロまずくて気に食わなかったため殺害。・・・・・。これがきっかけで犯人が連続殺人を・・・⁉とりあえずこれは証拠品としてパックの中に入れて持っていこう。次は休憩室と犯人が行ったカフェにも事情聴取しに行かなきゃな。」と言って翔は最初に休憩室に行って証拠品などを探したが、それらしきものがどこにもなかったので、古畑菜刑事と合流した。

「翔!休憩室と社員用ロッカーはどうだった?厨房には特に証拠品はなかったぞ。」
「そうか。休憩室も証拠品や異常なものは見つからなかった。社員用ロッカーは、スズランの花とすり潰す容器と道具と日記が見つかりました。」と翔は、古畑菜刑事に証拠品を見せて渡した。
「おお、サンキュ。しかし、何故ロッカーから、スズランの花とすり潰す容器が・・・。」
「多分、犯人はおそらくこれを使って元カレと気に食わない店員とかを毒殺したのでしょう。とりあえず、俺はこれから犯人が行った店やカフェなどに事情聴取しに行きます。」
「そうだな。俺も他の店や店員に犯人のことを聞きに行くか。」と言って、古畑菜刑事と翔は事情聴取をしに犯人が行っていた店や喫茶店に行った。また、犯人の手がかりを見つけるために、翔がロッカーから見つけた証拠品や容器に入ってる抜けていた犯人の髪の毛からDNA鑑定を専門の人にしてもらった。捜査は3日間かかり、翔は、探偵事務所の仲間や家族に報告した。
「・・・・。なるほど・・・、そうゆう訳か・・・・。恋愛や別れなどで起こる人間関係トラブルの事件はとても厄介で複雑だよな。」
「そうだな。特にアタシら女も絡んでくればね。」と翔の父も姉も母も納得していた。
「だから俺、明日、事件の起きたカフェと犯人行きつけの喫茶店のに店員を呼び出して、誰が犯人かを推理して解決してくる!」そして次の日になり、「喫茶店連続毒殺殺人事件」の犯人の真相に決着をつける日。

ー翌日ー

「えー、お忙しい中、お集まり頂き、ありがとうございます。最近噂になっている謎の不審死事件、「喫茶店連続毒殺殺人事件」の真相を一人ずつ聞いていきます。」と言って、最初に翔は事件が起こったカフェのオーナーの、築山集という50代の男性に聞いた。集まっている人は、このカフェの店員全員だった。
「それでは集さん、この事件に関して何か心当たりはありませんか?」
「いえ、事件が起こったその日、私はオーナーとして他の店舗に研修へ行っていました。ですが、仕事終わりに社員用ロッカーで掃除をしていたら、九番ロッカーから、すずらんの花と道具が出てきたのですが、日記の中身を見て青ざめてしまい、見るのをやめました。」と集は、真剣に答えた。
「そうですか。その、証拠品が入っていた九番ロッカーを使っている方は、どういう方でしたか?」と翔はもう一度集に質問をする。
「はい。彼女はとても真面目で仕事も早く、礼儀正しかった。彼氏もいたって他の女性店員から聞いたな・・・・・。彼氏さんは彼女と同じく、カフェで働いているイケメン店員だと。」と集は、翔に犯人がどういう性格だったかを話した。とても真面目な方のようだ。その後の翔は、まだ聞いていない店員達にも話しを聞いた。みんな集と同じ答えで返ってきた。そして最後に眼鏡をかけた女性店員に翔は話を聞いた。
「あなたは、九番ロッカーの持ち主の女性は、どういう方でしたか?」と翔が言うと女性は、目を逸らしながら不愛想に答えた。
「し、知りません・・・・。あまり関わったことないので・・・・。」
「そうですか・・・・・。ありがとうございます・・・・。」と翔は店員全員に聞いた後、トイレに行き、誰が犯人かを考えた。
「カフェドリップの店員全員に聞いたけど・・・、どう考えても、一番最後に聞いた女性が怪しいよな・・・・。目を逸らすし・・・。」とブツブツ言って考えながらトイレを出ていき、事情聴取の続きをした。

「みなさん、事情聴取お疲れさまでした。犯人が誰か判明したので、発表したいと思います。」と言うと周りがざわめき始める。
「犯人が判明したってっ・・・・!」
「誰が、誰が犯人なんだ・・・・⁉」ついに翔が口を開いて犯人が誰かを指をさして言った。
「・・・・・犯人は・・・・・、安野和未さん、貴方だ!」

「・・・・っえ・・・⁉噓でしょ⁉和未さん‼」
「真面目で礼儀正しい和未さんが・・・・⁉お願いだ!嘘であってくれ!」と店長含めて周りの店員が絶句していると、和未が悪い笑みを「フッ」と浮かべながら言った。
「そうよ。私が犯人よ。同僚の聡を殺したのも、人気のカフェの店員を殺したのもね。wwwwこの間行ったカフェなんか店員が無能すぎて気に食わなかったの。あと、聡に関しては私に興味ないんだもの。そんな彼氏、こっちからごめんだわ。」と和未は本音を吐き出す。
「和未さん・・・・、貴方・・・・・。」
「それが本音だったの⁉」
「うわっ・・・・・・・。」店員全員和未のやった行いにショックを受けていて、言葉すら出ない状態だった。
「スズランの花も薬をすり潰す道具も私のものよ。スズランの毒は心臓毒だから、イチコロできるかと思ってね。」と次々と和未は狂った発言をする。これには同僚、後輩、上司、先輩店員もドン引きしてがっかりしていた。翔も反省もしていない犯人の和未に怒りを感じる。
「そんな理由で大切な人や他の店の店員を殺すなんて、お前は最低だな!そんなんだから、彼氏も嫌気をさしたんじゃないのか?束縛は男にとって大っ嫌いだ。あと、彼氏の聡さんは、そんな性格の和未さんに感謝の手紙を送っているぞ。」と言って翔は和未に、元カレの聡からの手紙を渡した。すると和未はストンと腰を落として座り、手紙を読むたびに涙がこぼれていた。
「あ・・・・・、ああっ・・・・!何で・・・・、聡は・・・・、浮気してたんじゃなかったの・・・・?何で性格の悪い・・・・、私を・・・・・、いつまでも愛してくれるの・・・・⁉」泣き崩れて精神が不安定になっていく和未を見て、周りの店員や翔や警官達は怒りが少し入ってたような心配な顔をしていた。
「・・・・。和未さん・・・。きっと聡さんは、本当は和未さんのことが大好きで、和未さんがどんな性格でも愛していたんだと思います。でも、聡さんは和未さんの束縛に限界を感じて別れたんです。和未さんがもうちょっと心が広かったら、幸せな暮らしが待っていたんだと思います。」と翔が和未の肩に手をポンと置いて言った。和未はハンカチで罪の後悔で流した涙を拭いた。

「そうね・・・・。私が束縛とかなんかしなかったら、ずっと幸せでいられたかもね・・・・・。罪を犯したから、もう後悔したって遅いわ・・・・。ちゃんと聡や無能と言ってしまった店員の分まで牢屋で償わないとね・・・・。」と和未は言って立ち上がった。
犯人が誰かと分かったところで推理は終了し、和未はパトカーに乗せられて、刑務所に行った。
「恋愛って・・・・、難しいんだな・・・・・。」
「ああ・・・・。恋は人を狂わせることもある。妬みや嫉妬、束縛などのトラブルで事件が起こりかねないからね。」と翔と古畑菜刑事は パトカーを見送りながら話していた。
「さて、俺は親父のいる探偵事務所に帰るとするか。」
「そうだね。俺もこれから色んな書類をまとめなきゃいけないし、仕事場に戻るとするよ。」二人はそれぞれ自分の仕事場に車に乗って戻った。

ー路地ー

「ハッハッハッ・・・!早くしないと犯人に見つかっちゃう!逃げないと・・・・!」と路地裏を一人で走る派手な少女がいた。彼女は何者かに追われていて、生きるために必死に逃げまくっている最中だ。
「はぁっ・・・・、はぁっ・・・・、何も食べてないし、力が出ないよ・・・・。でも、アイツに捕まりたくはない・・・・!」

ー続くー

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ましゅまろまかろん

アニメやゲーム、歴史などが大好きです!歴史は特に戦国時代が大好きです! 特技は絵を描くことと、卓球です。漫画やイラストなど、将来のために色々頑張ります!

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