
〔1〕
地の底まで堕とされた緑の▲キナミの背中を押し六角の世界/魂の保管庫へ無事送り見届ける事が出来た×-サクアキは、役目を終えたように《クラ・・・》とよろけると
〔2〕
《ドサッ…》とそのまま前へ倒れ込み終始見ていた六角-スズクハから言葉を掛けられた。
六角-スズクハ「サクアキ…。」
×-サクアキ「あぁ……スズクハさんか、キナミ君は…?」
スズクハ「えぇ魂の保管庫へ向かわせる事が出来たわ、でも…貴方は?」
サクアキ「俺かい…?俺は、諦めたよ。成功しなかったらと思うと怖かったからさ。」
〔3〕
スズクハ「ワタシに、通用すると思ってその言葉を引き出したつもりでいるの?」
サクアキ「・・・。」
黙り込むサクアキにカッとなったスズクハは彼に問いだした
スズクハ「確率なんてこの地の底には関係ない!貴方は…自分を、捨てたのよ⁉」
サクアキ「あぁ。でも、もういいんだ。」
スズクハ「どうして…?脱出にIPは関係無い。この世界の魂は任意で戻れるじゃない、管理者である貴方もそれは知っている事でしょう⁉」
サクアキ「スズクハさん…それは昔の話だよ、トゥイルやその仲間が世界を変えた」
スズクハ「トゥイルが…?」
サクアキ「祭壇と外部の呼び戻しでしか帰れなくなった、後者は先ほど貴女がトゥイルに使ったモノです」
〔4〕
呆然とするスズクハにサクアキは声を掛けた
サクアキ「…スズクハさんが心配する気持ちが分からない訳ではないんです」
スズクハ「え…。」
サクアキ「でも……。俺は〖キナミ君と同じ死にたがり〗でした結果論でもなくこの世界に来るずっと昔の頃から、彼も自分も〖環境は違えど同じ人間〗でした。」
「変な話ですよね周りの眼を気にして怖がり消えたがる何倍も小さな子供に俺は嫉妬をしていたんですよ。」
《パキ_____
サクアキ「この世界に来る前から知り合った人から心配されて平気な気持ちでいられるほど俺は腐っていません。
…トゥイルは俺が帰る事も予想していたんでしょう、現世で寝込ませていた空っぽになった肉体はそれぞれの部位で【彼らの一部になりました】…どっちみち、俺は帰れないんです。」
スズクハ「…。」
サクアキ「俺は知らないながらも彼らと手を組んで地球の環境-生物それどころか多くの人までも巻き込んで計り知れない命を奪いました、長い時間が経って…天罰がやっと、回ってきたんだと思います。」
限界が近付く彼にスズクハは一つ呟くとそれに呼応する様に返事がやってくる
スズクハ「ワタシは以前も今に至っても貴方に何も出来なかった。本当に今更ね…」
サクアキ「スズクハさんが聞きたい事と俺が言いたい事は、次の会話に成り立ちますね?」
〔5〕〔6〕
スズクハ「この世界に来る以前、聞けなかった貴方の願い。聞かせてもらえる・・・?」
サクアキ「今ここで、ひと思いに…お願いします…。」
__________「 」
「 」
〔7〕
「 」
__________「 」
〚〚選択された情報は完全に削除されました〛〛
〚〚存在しないデータです〛〛
スズクハ「・・・。」
〔8〕
五角-???「お取込みの中 悪いけど、その涙 拭かなくて大丈夫なのかい?スズクハ…?」
スズクハ「…これぐらい見落としたって身に危険は無いでしょう?大丈夫…、ありがとう。」
〔9〕
彼らの話が終えたところで一方、保管庫へ向かうキナミはというと
《ガガガガガガ》
なんて乱暴なことか棘をストッパー代わりに速度を抑えながら先を急いでいた
キナミ「使い方が分かってきたな、……いや?これ間違ってるかもしれないな…。」
そうボヤき滑走していくと周りが徐々に明るくなり段々と保管庫が見えてくるのでした。
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〚〚23話が終わり、 △24話へ続く。〛〛