「わぁ、これがアフタヌーンティーのアップルパイ……!」
「そうそう。お前この店は初めて?」
「うん。お店の前を通ることはあったけど、まだ行ったことなくて」
「ここのアップルパイ、めっちゃ美味いんだ。この生クリームといっしょに食べてみ?」
おれたちはエスパル2のアフタヌーンティーに来ている。
ここにきたときは15時30分くらいだったから、かなり混んでいたけど、ちょうど席が空いて、そこに座ることができた。
夜城は目をキラキラさせて、アップルパイをほおばっている。
アフタヌーンティーのアップルパイはほかの店のとは少し違っていて、パイの部分がサクサクとしたものではなく、しっとりとしたスポンジのようになっている。
そこにリンゴのコンポートが挟んであって、生クリームが添えられている。
パイとリンゴと生クリームをいっしょに食べると、めっちゃ美味い。
夜城はすごく味わって丁寧に食べている。
気に入ってもらえてよかったぜ。
それからおれたちは紅茶を飲みながら、来年のことについて、少し話し合った。
「来年受験か~……。おれの学力じゃ大学はムリかもな……」
「来年1年あるんだから、いつもよりちょっとだけ頑張ればいいんじゃない?」
「夜城はなんで大学に行こうと思ったん?」
「将来特になりたいものとかやりたいことないから、それをみつけるために大学に行こうかなって」
「たしかに、なにかをみつけるために大学に行くのもアリっちゃアリだよな~」
おれもそろそろ将来のことを考える時期なんだな。
来年のうちになにかみつかるといいな……。
