半夏生 第5章 ~Chapter2~

「わぁ、これがアフタヌーンティーのアップルパイ……!」
「そうそう。お前この店は初めて?」
「うん。お店の前を通ることはあったけど、まだ行ったことなくて」
「ここのアップルパイ、めっちゃ美味いんだ。この生クリームといっしょに食べてみ?」

 おれたちはエスパル2のアフタヌーンティーに来ている。

 ここにきたときは15時30分くらいだったから、かなり混んでいたけど、ちょうど席が空いて、そこに座ることができた。

 夜城は目をキラキラさせて、アップルパイをほおばっている。

 アフタヌーンティーのアップルパイはほかの店のとは少し違っていて、パイの部分がサクサクとしたものではなく、しっとりとしたスポンジのようになっている。
 そこにリンゴのコンポートが挟んであって、生クリームが添えられている。

 パイとリンゴと生クリームをいっしょに食べると、めっちゃ美味い。
 夜城はすごく味わって丁寧に食べている。
 気に入ってもらえてよかったぜ。

 それからおれたちは紅茶を飲みながら、来年のことについて、少し話し合った。

「来年受験か~……。おれの学力じゃ大学はムリかもな……」
「来年1年あるんだから、いつもよりちょっとだけ頑張ればいいんじゃない?」
「夜城はなんで大学に行こうと思ったん?」
「将来特になりたいものとかやりたいことないから、それをみつけるために大学に行こうかなって」
「たしかに、なにかをみつけるために大学に行くのもアリっちゃアリだよな~」

 おれもそろそろ将来のことを考える時期なんだな。
 来年のうちになにかみつかるといいな……。


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ヨウルクー

12月生まれなのでフィンランド語で12月です。 読書したり、カフェに行ったりと街中を散歩するのが趣味です。 神社が好きです。

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