「じゃあ、神田くん、今日はありがとう。また仙台に誘ってね」
「おう。いつでもいいぜ」
おれたちはあれから電車に乗って、名取駅に戻ってきていた。
夜城がバスで帰るため、駅の西口のバス停で見送っていた。
バスが発車して見えなくなると、おれは自宅のマンションに向かって歩き出す。
大学か……。
ちなみに、おれは絵を描いたりすることがわりかし好きだから、小中学生のときはよく描いてたっけな。
なので、絵にはちょっと興味がある。
一時期は漫画家になりたいな、なんて思ってたりもした。
あとで調べてみるか。
仙台にはどんな大学があるのか。
こんなおれでも、入れるのか。
次の日の放課後、バイトに向かいながら夜城にこのことを話してみると、仙台に美術大学があるとのことで、一応美大のことはスケジュール帳にメモしておいた。
バイトの休憩時間に、赤間さんに「大学ってどういうところなんですか?」って訊いてみたら「自分の得意なことや好きなことをとことん学ぶところだよ」って教えてくれた。
好きなことをとことん学ぶ、か……。
