半夏生 第5章 ~Chapter3~

「じゃあ、神田くん、今日はありがとう。また仙台に誘ってね」
「おう。いつでもいいぜ」

 おれたちはあれから電車に乗って、名取駅に戻ってきていた。
 夜城がバスで帰るため、駅の西口のバス停で見送っていた。

 バスが発車して見えなくなると、おれは自宅のマンションに向かって歩き出す。

 大学か……。
 ちなみに、おれは絵を描いたりすることがわりかし好きだから、小中学生のときはよく描いてたっけな。
 なので、絵にはちょっと興味がある。
 一時期は漫画家になりたいな、なんて思ってたりもした。

 あとで調べてみるか。

 仙台にはどんな大学があるのか。

 こんなおれでも、入れるのか。

 次の日の放課後、バイトに向かいながら夜城にこのことを話してみると、仙台に美術大学があるとのことで、一応美大のことはスケジュール帳にメモしておいた。

 バイトの休憩時間に、赤間さんに「大学ってどういうところなんですか?」って訊いてみたら「自分の得意なことや好きなことをとことん学ぶところだよ」って教えてくれた。

 好きなことをとことん学ぶ、か……。

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ヨウルクー

12月生まれなのでフィンランド語で12月です。 読書したり、カフェに行ったりと街中を散歩するのが趣味です。 神社が好きです。

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