時は経って冬休みだ。
夜城は岩手のおばあさんの家に行っているため、会話は電話かメールだ。
おれはアルバイトに精を出して過ごしていた。
夜城のバイトは契約期間が先週のうちに切れているため、今は進路のことについて調べているんだそうだ。
「神田く~ん!食器の片づけ、ちょっとお願~い!」
「あ、は~い!」
赤間さんの声がして、おれは食器の入った籠を取り出して、キッチンでカップやお皿なんかをパパッと洗う。
今日は、みんな冬休みとみえて、学生やカップルがとても多く、忙しさも半端じゃない。
そして、バイトが終わると自宅へ帰り、美術大学のことを調べる。
これが日課になっていた。
おれの得意なことや好きなことを活かせること。
おれみたいなあまり人付き合いや勉強が得意じゃない人でも、絵を通してなら、なにか役に立つことができるかもしれない。
……よし、おれにできること、それは___。
