半夏生 第5章 ~Chapter4~

 時は経って冬休みだ。

 夜城は岩手のおばあさんの家に行っているため、会話は電話かメールだ。

 おれはアルバイトに精を出して過ごしていた。
 夜城のバイトは契約期間が先週のうちに切れているため、今は進路のことについて調べているんだそうだ。

「神田く~ん!食器の片づけ、ちょっとお願~い!」
「あ、は~い!」

 赤間さんの声がして、おれは食器の入った籠を取り出して、キッチンでカップやお皿なんかをパパッと洗う。

 今日は、みんな冬休みとみえて、学生やカップルがとても多く、忙しさも半端じゃない。
                                                                                                                     
 そして、バイトが終わると自宅へ帰り、美術大学のことを調べる。
 これが日課になっていた。

 おれの得意なことや好きなことを活かせること。
 おれみたいなあまり人付き合いや勉強が得意じゃない人でも、絵を通してなら、なにか役に立つことができるかもしれない。

 ……よし、おれにできること、それは___。


  • 1
  • 0
  • 0

ヨウルクー

12月生まれなのでフィンランド語で12月です。 読書したり、カフェに行ったりと街中を散歩するのが趣味です。 神社が好きです。

作者のページを見る

寄付について

「novalue」は、‟一人ひとりが自分らしく働ける社会”の実現を目指す、
就労継続支援B型事業所manabyCREATORSが運営するWebメディアです。

当メディアの運営は、活動に賛同してくださる寄付者様の協賛によって成り立っており、
広告記事の掲載先をお探しの企業様や寄付者様を随時、募集しております。

寄付についてのご案内