キミのいる世界 ~present from the sky~ #6

#6  「全ては石【オレ】のせい」

そうだった・・・のか・・・

この前は背中を叩かれたから、
あれでもまだマシなほう・・・

死者が出ているのに、マシなんて・・・

言ったでしょ?
あなたが命を落としたら、この世界は終わるの

俺は・・・どうすればいいんだ・・・・?

かかりつけ医がいるでしょ?
定期的に診察してもらってるはず・・・
その医師の手で
石やあなたの身体を傷つけず手術を行うほか、ないわ・・・

俺が死んだら・・・・この世界は終わる・・・?
そしたら、どうなるんだ・・・?

また、新しい世界戦にワープするだけよ。
あなたが何者かの攻撃によって
命を落としても次の新世界にワープする。私ともう1人のサポート部隊の子は
何度も行き来してるから、
新世界にワープしても前の世界での記憶が維持される。
でも、あなたや家族の記憶までは
次の世界までもってこられないわ・・・

じゃ、俺がココで知った石の謎は次の世界では記憶にないのか・・・

志狼は、初めて自分の体内にある【石】のことを知った。

・自分が命を落とすとこの世界が終わること……
・両親は、自分にこの事を隠していたこと
・小恋ともう1人のサポート部隊は自分のこと知っていてそれが仕事だということ
俺は、このことを知ってからなるべく人との接触を避けようと思った。
それが、俺のためにもなるしこの世界のためにもなるのだと・・・・
そう・・・思ったからだ。

ほかになにか、聞きたいことはある??

いまは、頭の中に記憶を封じ込めるだけで精一杯だ・・・。
石のことは知れたから、俺も頑張って生きていく・・・。
まずは父さんの安否を知りたい・・・

そうね、エレベーターまで案内するわ。
12階があなたのお父さんの職場よ

ありがとう・・・

あらーーーー?
もういいの・・・・・・??

うん・・ありがとう布藤さん!!

ありがとうございました!
またのお越しをお待ちしております!!

喫茶店を出ると、小恋は志狼の手を引いて上に行くエレベーターの近くまで送り届ける。
ボタンを押すとすぐドアは開いた。

開いたみたいだ、いろいろありがとう・・・小恋・・・
帰りは父さんの車で送ってもらうから大丈夫だよ

そう・・・
また、自分のことについて知りたかったら隣の家まできて

ああ・・・・じゃ、また!!

また!!!

あの子は、本当に俺よりも俺の事(主に石)を知っていた。
父さんと合流したら・・・
なんでいままで石についてのこと隠していたのか、聞いてみようと思う。

深永海、志狼と接触したわ。
さっきの地震で、父親の安否確認したいっていうから
ビルまで送ってあげたわ。
何度もワープしてるけど、道案内をしてもらって
初めて、志狼の父親の職場がわかった。
個人的には、収穫はあったわ・・・

その、対象はどうなっているのか気になるところだけど・・・?

志狼は……父親と合流してるわ!!
帰りは車で送ってもらうって・・・

なら、心配ないね・・。
小恋あんたも戻ってきな!!

いまから戻るわ・・・

小恋は、ホームシェアをしている自分たちの家にゆっくりと戻っていった。
山路親子はというと………………
12階に着いた志狼は、社内につき事態を理解する。

きゃーーーー

落ち着いて!!みなさん!!!

地震は、もう収まりましたー!!
こちらに避難してください!!

女性社員は、パニック状態になっていたり…軽傷を負っていた。
男性社員は深手を負っている人が多かった・・・。
それは、社員の【声】で事態をすんなりと分かり
志狼は自分のせいで・・・と思い込んでしまう・・・・。
父親のいる、ビルまで着いても・・・どうしようもなく耳を塞いで
その場に座り込んでしまう。

俺の・・・・・せい・・・・で・・・・

社員全員を、社内から避難したと思って安心している父親の眼に
息子の姿を目撃する。

志・・・狼・・・?
ここにいては危ない、父さんと一緒に避難所へ行こう・・・

う・・・・ん・・・・

目の見えない息子には、父親が重症を負っていることがわからない。
いまは・・・・・父親と避難所へとゆっくり歩いていった。

父さんは・・・・ケガ・・・してない・・・の?

ちょっとな・・・
深手を負ってしまったが・・・
後で手当てすればいいさ

俺が・・・・・見えてれば・・・
手当て・・・・できるのに・・・

仕方ないさ。お前の失明は、生まれつきだからな・・・

うん・・・・あ、、、の・・・・

どうかしたか・・・・?

いや・・・・今度でいいや・・・・

ああ。もう少ししたら家に帰れるからな・・・・・
それまでの間、ここで待機していよう・・・

わかった・・・

幸い、俺の社員はお前の病気のこともわかってるから安心だし
社員全員の車も無事だ。
余震がなければ、すぐ帰れる・・・

うん・・・・

父さんの、部下が避難している避難所へ俺たちは向かった。
社員の人は、俺を手厚く歓迎してくれて飲み物などを与えてくれた。
ああ・・・・・こんなに優しい人達を俺は・・・・・俺は・・・・
どうして・・・俺なんだ??
石さえなければ、失明もしてない
両親の顔が見える・・・・
自分で自分のことができるのに・・・!!!

石さえ、なければ・・・!!!

俺は、自分の出来損ないさに悔やんだ。

つづく

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水樹

最初に絵を描き始めたのは小学生の頃でした。 それから、自分の世界観を文字におこしたり、絵にするのが趣味になっています!!

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