目の前のには青い海、白い砂浜、眩しい日差し、空を飛ぶカモメの景色が
広がっている。「よぉ。」後ろから声をかけてきたのはドラゴンフルーツの様な
頭、全身がピンク色で細身のフシオ君だ。「あいつまだ来てないのか?。」
フシオ君が質問してくる。「彼女はもうすぐ来ると思うよ。」今日は僕と
フシオ君、そして友達である彼女と釣りをする約束をしている。僕は自分の
手首に付けている腕時計を見た。腕時計は14:47を示していた。待ち合わせの
時間は15:00。まだ余裕がある時間だ。「おーい、待たせたな!」
後ろを振り返ると、キツネの様な耳に黄色の毛皮で覆われた友達がぜえぜえと
息を切らしながら走っててきた。

「やっぱり海は良いなぁ・・・。」友達が回りの景色を見ながら呟いた。
「それじゃ釣り場に行こうか。」フシオ君が僕と友達を釣り場まで
案内してくれた。「ちょっと待っててくれ。」フシオ君がどこかへ行って
しまった。しばらくするとフシオ君が釣り竿を手にして帰ってきた。

「釣り場の受付所の行って釣り竿を借りてきた。これで釣りが出来る。」そう
言うと僕と友達に釣り竿と魚を入れるための水が入った青いバケツをくれた。
こうして僕達は各々の場所で釣り針を海へ飛ばし、座りこんだ。

口笛を吹きながら釣りを楽しむフシオ君に対し、友達はただ真剣な表情で
釣り針が落ちた水面を眺めていた。「君がそんな顔をするなんて珍しいね。」僕は
彼女に問う。「初めてやるからね。少しは緊張するさ。」友達は答えた。
1時間後、フシオ君は3匹目のアジを釣り上げており、釣った魚を水が
入っている青いバケツへ入れた。「やったぜ。」フシオ君は喜んだ。「お前達は
どんだけ釣れた?」フシオ君が僕と友達に問う。僕は自分のバケツの中を見て
確認した。僕のバケツの中には2匹のアジが泳いでいる。「僕は2匹だよ。」僕は
フシオ君に伝えた。「私はまだ1匹も・・・。」友達が答えた。その時、友達の
釣り竿が糸を引いた。「お!キタキタ!」友達がロッド巻き上げていき、
釣れたのはアジだった。

「やっと釣れた。」ぴちぴちと動くアジを眺めて友達は嬉しそうに言う。
「どうする?引き上げるか?」フシオ君が僕と友達に問う。「あと
1時間は粘る!」友達は元気いっぱいに答えた。