[妖(あやかし)世界設定まとめ③]

はじめに

妖(あやかし)世界設定その③です。今回から何回かに分けて、いろんな妖の一族についての設定を書いていきます。

伝承等を参考にしている部分と、オリジナル設定が混在しているのでご注意ください。

鬼の一族

古来より存在する、人ともかかわりの深い一族。

通常は鬼と鬼、鬼と人の間に子が生まれるか、妖力だまりから生まれるが、鬼に限っては「人が妖力を得て鬼になる」例が確認されている。ただしあくまで伝承上とされており、現在一族に人から鬼に成ったものがいるわけではない。

妖の中では比較的多くが人の世に混じって暮らしており、つがいに人を迎えるものも多い。必然、人に化けることになるが、元々大柄のものが多いため、人に化けても平均身長と比べて大柄になってしまうので、目立つ。

また、運動神経が高く、頑丈。あらゆる病や毒を受け付けない。妖力が強いものは千年以上生きる。

仕事としては、戦闘力の高さを生かして荒神や物の怪の討伐をしたり、封印の為に消耗させたり、逆に術では解けない封印や呪いを力技で破ったりと、荒事に駆り出されることが非常に多い。

術にも長けてはいるが、如何せん戦いに於いては段違いの強さを誇るため、他の妖と協力する仕事でも最前線によくいる。

鬼自身、丈夫で早々怪我をしたり被害を受けることが少ない上に、荒事の報酬は桁違いの為、結構自分達から進んで首を突っ込んでいくようである。

武器の扱いは不得手。というより膂力が強すぎて耐えられる武器が少ない。素手が一番強い。

強さに絶対の自信を持つ分余裕があるのが、細かいことを気にしない。ただ、侮られることは大嫌いで、相応の反応をする。

個人個人の人との付き合いはあれど、「人」という生き物に特別情があるわけではないため、一族>他の妖>人

ほとんどのものがかなりの健啖家で、大酒飲み。宴が好きで、よく集まっては酒を飲んでいる。

力の強さが近いもの同士に限り喧嘩をすることがある。(基本的に実力主義である)

長生きの強い鬼が長老として総本家の妖域をつくるが、それ以外に三百年に一度、「鬼御子」と呼ばれる非常に妖力の強い鬼が生まれる。通常長生きするほど強くなる妖力が、生まれた時から桁違いに強いため、特別大切にされる。しかし、成長しても長老になる資格がなかったり、相応の発言権はあれど一族の方針を決める会合の参加権は無かったりと、実力主義故に立場が高くなり過ぎないように調整がされている。

また、鬼御子のみ本名と別に「王」の付く呼び名があり、現在は「禄王」「魁王」「陽王」の三名がいる。

総本家のある妖域の本拠地は、元々は京都。東京奠都の折、鬼の一族も倣って東京に本拠地を移した。

式鬼と呼ばれるものを妖力で作り、使用人としたり連絡役にしたりする。

妖狐の一族

鬼と共に、古来から存在する、人とかかわりの深い一族。大陸からいつの間にか渡ってきたとされる。

化け狐と同一視されることもあるが、化け狐は長生きしても尾は一本、妖狐は長生きして妖力が高まると尾が増えるため、別物。一尾から九尾まで存在する。

古来は人を騙し、誑かし、悪事を働くものが多かった。現代ではすっかり落ち着き、人から依頼を受けることや、人に紛れて生活するものも増えた。

鬼ほどではないが頑丈で、かつ呪術や妖術への耐性が高い。

仕事としては、元から妖術に長けているため、荒神や物の怪を封印したり、退治の際に捕縛術や防護術をかけたりと、後衛に回ることが多い。が、戦闘能力は高く、尾の多い妖狐は特に本体が大きな狐なので、暴れる相手をものともせず押さえつける。

まじないや祈祷、呪い返しなどを請け負うこともある。基本的に現代では人を祟ったり呪ったりはしない事になっているが、勝手に自慢の尾を触ると、つがい以外は末代まで祟られる、と言われているので注意が必要。

頭が回る者が多い。喧嘩をしても口で負かす。

基本的に大酒飲み。ただ、鬼と違い宴をする習慣はなく、親しいもので集まって静かに飲んでいる。

長生きすることによって尾が増えるが、九尾まで到達するものはほぼおらず、現在の長は八尾。

その下に七尾が三人いるが、うち一人が生まれつきの七尾という異例の存在。鬼御子が同年に生まれており、妖力の高まる何かしらがあったと現在調査中なほど珍しい。

普通は一尾か二尾で生まれ、四尾か五尾辺りで止まる。最終的な尾の数により寿命が違い、七百あたりから千年以上まで分かれる。

六尾以上の妖力の強い妖狐には本名とは別に「玉」のつく別名があり、「紅玉」「紫玉」「蒼玉」など、色のつく名前になる。

総本家のある妖域の本拠地は京都。重要な寺社仏閣が多く残るため、物の怪などがよる可能性も考慮して移動しなかった。

管狐を一人二体連れており、連絡役や偵察役にしている。家の使用人は式を別に作っている。

猩々の一族

交易が盛んになってから大陸より渡ってきた大猿の妖一族。

数が少なく、勢力は弱め。大半は大陸に残っている。

個々の戦闘力は非常に高く、頑丈かつ機敏。鬼と並んで荒事の前線に出ることが多い。

術は苦手。簡易的な結界くらいしか張れない。

妖力の強いものは、自身の妖力を固めて生成した大太刀を携えており、大岩を一刀両断するほど強い。

炎、風、水などの力をまとわせて威力を上げており、特に炎の力は一部のかなり強い猩々しか使えない。

渡ってきたのち人と交わったものが多数おり、妖力を持たないものが生まれることで一族を離れた例も多いのが、勢力の弱い要因である。

当の猩々達は、大陸に比べてのんびりと過ごせることを気に入っており、勢力の強い鬼や妖狐と連携しながら上手く暮らしていて、勢力を強めるつもりは特にない。

しかし、離れたかつての一族のものの家に先祖返りが生まれることが多々あるため、それらを回収して養育していることもあり、大きく減ったりもしていない。

総本家のある妖域の本拠地は神戸。貿易港として開かれていたところにそのまま住み着いている。

術が使えず式を作るのが苦手なため、総本家では妖域に住み着いている小妖達が使用人のようなもの。

個人の妖域は本人たちが自分で家事をしている珍しい妖。

おわり

今回のイラストはざっくりめ。数がめちゃ多い訳でもないので、年が近くて妖力の強さも近い子は割とみんな幼馴染くらいの距離感です。

鬼御子の陽王と七尾の紅玉、あと炎の猩々の先祖返り君。後ろ二人はまたイラストちゃんと描きたいです。

今回は特に強い妖の話をまとめました。次回は「化け妖」中心の話をまとめます。

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藤うさぎ

藤うさぎと申します。のんびりゲームしたりイラストを描いたりするのが好きです。 あと紅茶が好き。よろしくお願いします。

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