キミのいる世界~present from the sky~#21

#21      「カクシゴト」

ついたぞ、波佐見

はい・・・・・うぇ・・・

なんだ?酔ったのか・・・?

あ、当たり前でしょ・・・
あんな急スピードで運転したら・・・

目的地に着いたんだから、あとで休ませてもらえ

車から降りると、新木家のインターフォンを鳴らす。
気づいて出てきたのは新木武久だった・・・・・・・・・・・・・・

待ってたっスよ~!
君が波佐見さんね・・・・??
なんか体調悪そうだけど大丈夫??

ど、どうも・・・・布藤・・・・
うぇ・・・波佐見で、です・・・おぇ・・・

自分は新木武久っす・・・車酔いで酔ったぽいんで
すぐにこっちに・・・源太~~

あ、新木武久さん・・・・
よ、よろしく・・・・お願いい・・・たします。

車酔いで酔った、波佐見を介抱してくれるのは幼い源太。
身軽で背中をポンポンと支えながら寝室へ

大丈夫・・・・?おねぇ・・・たん??

ききゃ・・・・・きゃわいい・・・

おねぇ・・・たん??苦しそう・・・・

だ、大丈夫よ・・・・
わ、私・・・休ませてもらうわね・・・??

うん・・・!!横になってね!!

あ、ありがとう~源太くん・・・!

波佐見は、ふかふかのお布団で横になっていると
隣に頭があるのが分かり・・・誰かが隣にいることに気づいた。

だ、だれ・・・だろう・・・・?私、いまひょっとして
隣に寝ている人と添い寝してるーーーーー??
い、一体誰なんだろう?振り向けばわかるんだろうけど
いまは気持ちが悪くてそれどころじゃない・・・・。
眠ることにしよう・・・

もしかして・・・・・・布藤さん・・・?

え・・・

この声、聞いたことある・・・・。
もしかして、、、、志狼くんなの・・・?

志狼くん・・・・・?

あ、やっぱり・・・・。
ドクターと入れ替わりで来たのって
布藤さんだったんだ・・。

うん・・・・・よろしくね??

横になっているから、顔は見えないけれど
久しぶりに聞く志狼くんの声・・・。
私は安心して、眠りについた!!

山路家

紫外の猛烈な急スピードによる運転で、新木家から山路家へ到着
ドクターは車酔いには、ならなかったが紫外の運転には不満
ドクターを入れて、新木家で決まったことを5人に話すと
会議をはじめ……結果、地下室で暮らし私生活を過ごすことになった・・・。
部屋割りは、性別ごとに分けて男子部屋と女子部屋に分かれる。

蠟燭の灯りでみんなの顔が見えるようになると、ドクターは彼女の漣から
山路家のみんなに渡すようにと言われていた連絡がとれる精密機械を
1人1機、にと配った。
その時機械の説明と共に、位置情報が漏れない仕組みにも
なっていると補足説明もした。

ありがたい。みんなも、何かあればコレで連絡をとるように

地下では電波が届かないもの

これって、志狼達にも連絡がいくようになってるんですか?

いや、それはできないようだ。
機械を持っているもの同士でしか
連絡を図ることはできない。

そっか・・・・

では、食事の時に会おう!

部屋ごとに分かれていった・・・・。

風乃、くれぐれも山路には言わないように

ええ・・わかってますよ

庵ちゃーーん、早く来なさい!!こっちで女子会するわよ~

じゃあ、私はこれで

すれ違いざま、庵と紫外は背中越しにボソボソと話していた。

新木家

もう体調は平気なのかい?

ええ、大丈夫ですわ!ご心配をおかけしました

布藤さん、大丈夫??

だい、じょうぶ!!ありがとう・・・・志狼くん

志狼は横になっているが波佐見が耐え切れなくて起き上がった。
時計を見ると時間は過ぎ夕方になっていた・・

え!もう、こんな時間!!

おねぇ・・・たん?・・・僕おなかすいたー

そうだよね、何か作ろうかな??

やったー!
パパはお風呂なの、
食材は好きに使っていいっていってたのー

そっか・・・じゃあ冷蔵庫にあるもの見て軽く作ろうかな

波佐見は、いてもたってもいられず料理をすることに集中
外から帰ってきた小恋が戻ってきて波佐見と初めて会う

あなたがドクターとの入れ替わりの??

布藤波佐見です!!

私は、霞ヶ崎小恋よ!料理してるの?

ええ・・・・
もう夜だし、私喫茶店で働いてるから料理は得意で

なら、私も手伝おうかしら・・・・

ありがとう・・・・

小恋と波佐見は、役割を分担しつつ家事を2人でした。
夕飯も完成し志狼をどっちが起こしにいくかで事件は起きた……

あなたは、料理をした後で疲れてるでしょうし
ここは私が起こしにいくわ!!

いいえ、これくらい平気です!!
志狼君を起こしに行くだけなので

さっき到着したばかりで疲れてるでしょう??
休んでもいいのよ

何を仰いますか!!
外から帰ってきて、そちらのほうが疲れてるでしょう??
お休みになられてはいかがでしょうか?

お互い、譲らず笑っているが笑っていない表情で
喧嘩をしていると2人を見ていた源太が泣いてしまう……
その様子に2人は大慌てで、子供の相手をする。

けんか・・・・だめぇええええ・・・・

あ・・・・源太くんゴメンねぇ・・・

おねぇたん達・・・・仲良くしてええええええ

今回は源太君に免じて休戦ね。
なかないでー源太君・・・・
お腹すいたでしょう??
パパまだ来ないけど先にたべよっか??

志狼を誰が起こしに行くかでもめた女性陣だが
源太が泣き出したことにより志狼は完全に起床し
丁度、お風呂から上がったお父さんは着替えてから息子の泣き声が
聞こえる場所へ猛ダッシュ・・・・・・。

なんだ?どうした??源太!!

パパーー!!おねぇたん達がケンカしてて・・・

なるほどな。
料理は出来上がってるし、源太悪いけど志狼君を
起こしてもらっていいかな?

うん!!シロたーーーん!!

源太が志狼を起こしている内に、3人でテーブルに料理を運んで
女性陣はエプロンを脱いだ。
目の見えない、志狼を小さなカラダで介護し
波佐見の隣に志狼を座らせた。

志狼くん、箸はコレよ!お皿手元におくからね!

ありがとう・・・布藤さん!!

じゃあ、みんな揃ったし食べようか!いただきまっス~

いただきまーす!

一同は、箸を進めて美味しそうにご馳走を貪る。
食事が終わると部屋割りを新木が決めて
みんなに報告すると一同はオーダーに驚愕

私と源太君・・・。小恋ちゃんと志狼くん・・・

霞ヶ崎さんと志狼くんは、
亡くなった妻の部屋を使ってもらう
布団が必要ならもっていくよ

何かあれば自分を呼んでもらっていいから、
寝ても起こしてもらえばチカラになるよ!!

新木さん、本当にありがとうございます!!

ダブルじゃなくてよかった・・・

え・・・?布藤さんなんか言った・・・?

いいえーなんにも!!

それから、女性陣は順番にお風呂を入り
最後に源太と志狼がお風呂に入った。
その後、小さなテレビを全員で見て団欒とした日常を過ごした。

山城家にて

女子部屋では、芝・・・庵・・・・三佳音・・・・の3人で
騒動の話が終わった後、もしも志狼が見えるようになったら・・・?
という話をしていた。

私は、申し訳ないと思ってるわ。
丈夫なカラダに産んであげられなくて
本当に申し訳ないって・・・何度も何度も・・・・。
けれども生きてくれるだけで
私は幸せなの・・・。
そんな志狼がもし、目が見えるようになったら
一緒に外に出かけてみたいわね。
空はこんな景色だよ、夜景はこんなに美しいんだよ・・
四季が変わるごとに色んな自然を一緒に見たいわね

山路志狼の母・三佳音の切実な思いに芝と庵は号泣し
そんな2人が泣いている姿にもらい泣きをする三佳音。

あなたたちが泣くことじゃないのよ・・・

・・・三佳音さん・・・そうですよね・・・・
志狼と色んな場所に行って
志狼とできなかったこと・・・・
いっぱい・・・・・してみたいですよね・・・・・

ええ・・・でも、それは私だけじゃなくて・・・
庵ちゃんもじゃない??

私は・・・!!
3番目でも、4番目でもいい。
目が見えるようになったら
学校に通うことになるの分からないけど、
もしそうなったら
私が校内を案内してあげたいな。
一緒にお弁当食べたり、ノート見せてあげたい・・・
やっぱり、1・2番は三佳音さんと亜堂さんが
志狼を独占すべきだと思います。
家族なんですから・・・

それからというものの、女子部屋はすすり泣く声が止まるわけもなく
みんなで熱弁してから電気を暗くし眠った。

男子部屋では、亜堂・・・ドクター・・・紫外は
まじめな話から進み、まずドクターは彼女がいることをカミングアウトして
そのドクターと新木家にいる小恋の3人で
世界を何度も行き来してることを言った。
女性陣がいる前でも言ったが、あの場では言えなかったことを
男子部屋では大暴露。
話は進み、紫外とドクターがずっと亜堂に思っていた疑問を
潔く聞いた。

そういえば、お父様はなぜどの世界線でも
俺のプレッシャーである
(志狼)の記憶を引き継いでいるのか
ずっと疑問だったんですけど何でですか・・・・??

それはだな・・・・

ドクターの眼鏡は光り、真顔で答える亜堂
謎が1つ解けそうなところまできていた・・・・・・

つづく

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水樹

最初に絵を描き始めたのは小学生の頃でした。 それから、自分の世界観を文字におこしたり、絵にするのが趣味になっています!!

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