#22 「恋の胸騒ぎ」
山路家___________
男子部屋より
亜堂が、記憶の引き継ぎをしていることがわかった。
妻の三佳音は、記憶は引き継がれていないものの自分が産んだ子のことなので
ドクターに子供の持病など聞いており記憶力がいいため、憶えているだけで
亜堂ほど、憶えてはいなかった。
新木のことだが、
あいつも三佳音同様に記憶は引き継がれてはいない。
世界線が変わるたびにオレが新木に打ち明けている。
そのため知っている、それだけだ
何度も行き来してる、ドクターは亜堂が毎回記憶を引き継いでいること
そして、その右腕である新木に教えていること
妻の三佳音が記憶力がいいこと・・・。
謎が解けたのであった。
同日、同時刻
新木家より・・・・
小恋と志狼は同じ部屋で、初めての2人きりで
話をしていた。
ねぇ、志狼・・・・?
起きてる・・・・・??
小恋が話しかけた、数分後に志狼の返事がかえってくる。
志狼は布団の居心地がいいとすぐ寝てしまう・・・・
起きて・・・・・る・・・・
もしかして・・・・寝てた・・・・?
反応が遅かったことに、小恋は気遣った。
半寝起きの状態で・・・・志狼は小恋の問いに答える。
すぐ寝ちゃうと思うけど、少しなら・・・大丈夫だよ
そう・・・。
少し、気になったの・・・・手術怖くないの・・・・??
さすがに、ちょっとは怖いよ・・・・
でも世界を救うためには俺のからだにある
石を取り除かないとダメだから・・・決心はついてる・・・
すごいね・・・私が同じ立場だったら、
そこまで考えられないよ・・・・
成功したら、母さんや布藤さんや新木さん
みんなの顔が見れる・・・
そして、世界は救われる・・・
いいこと尽くしじゃないか・・・
そうね・・・・。ホントにすごい(小声)
あと、もう1つ質問いい?
どうして私の事知ってたの・・・?
それは俺にも分からないんだけど、
君の事初めて見たはずなのに・・・
どこかで会ったような・・・そんな気がして・・・。
名前も多分・・・・
そう、なんだ・・・・
聞きたいことがきけて、私は満足よ!ありがとう!
そんなことより、俺がベッド譲ってもらってよかったの?
ええ、だって志狼は目が見えないんだもの。
何かあったら呼んでくれれば
起こしてあげることもできるし。
遠慮しないで・・・・
ありがとう・・・・眠く・・・・・・なってきた・・
おやすみ・・・
小恋は、聞きたいことを聞いて満足そうだった・・・・。
これまで本人以上に手術日のことが気がかりで一睡もできない状態だったが
志狼の本心がきけて、この日は・・・安眠できた。
新木家__________
源太&波佐見編
小恋達が眠ったあと、源太が起き上がり
気になって起きた波佐見・・・・・。
どうしたの?源太君・・・・トイレ・・・?
ううん・・・・シロたんのこと・・・
気になっちゃって・・・・
最近元気なかったものね・・・・・
うん・・・・・・シロたん
明日元気じゃなかったらどうしようう
きっと、大丈夫よ!
私達は志狼くんのこと応援してあげよう!!
うん・・・・!!ミーたん、ありがとう・・・!!
安心すると、源太は眠りについた・・・。
つられるように波佐見も眠りについた・・・。
次の日・・・・
次の日、【石】のこと・【手術】のことを志狼は小恋に支えられながら
全てを新木の息子源太・それに波佐見に伝えた。
波佐見からは、【もっと早くに伝えてくれればよかったのに!!】と
言われ源太には泣かれ波佐見には【何かできることがあれば言って!】
と応援要請の声を提示した。
ボクも、シロたんのためなら・・・
なんでもすりゅ!!
2人とも、ありがとう・・・
今日は、団体客で予約している店にこれから課長たちと
待ち合わせているからみんな着替えて!!
わかりましたーー!
パパー?どれを着ればいい??
そうだな、源太は可愛いからコレとかどうかな?
おいで、パパが選んであげる
わ~~い!
武久は、源太の部屋に行き服を一緒に選んだ。
そしてリビングに残される3人・・・・・
俺は服持ってきたから、部屋に戻って着替えてくるよ!
はーい!ヘルプならいつでも呼んでねー?
うん、お願いするよーー!
スイッチや壁伝いに、借りている部屋を探し当て
志狼は着替えていた。
小恋は、志狼が着替えてから部屋に戻ろうと思っていると
小恋ちゃん、わたし・・・負けないから!!
それは、こっちのセリフよ!!
どっちかを選んでもらうまで、勝負だからね!!
ええ!!負けないわ!!
恋仲としての、ライバルとして仲良くなった小恋と波佐見
友情とはまた違うが2人はとても
生き生きとしていた・・・。
つづく