2025年もありがとうございました。

みなさん、こんにちは。声に恋する。です。

早いもので今年ももうすぐ終わりですね。皆さんはやり残したことなどありませんか?

なにかと忙しいこの時期に、ちょっとした息抜きで読める短編小説とイラストを書きました。

どうぞ、お楽しみください。

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夕暮れ時、冬の寒さが夜を連れてくる頃。

私は、部活終わりの帰路に着いていた。

「…はぁ」

ため息を一つつく。部活で疲れたからではない。

「…結局、今日も伝えられなかったなぁ」

私は自分の意気地なしさに、ため息をついたのだ。

恋をしている。相手は同じ部活の同級生。

いつ好きになったのかは覚えていない。でも、毎日顔を合わせていく毎に私の心は彼に惹かれていった。

「…もうすぐ冬休みかぁ。それに…」

私は現在高校二年生。再来年の春には、卒業だ。

進路は決めている。そして…彼と、進路は違う。

だから、今のうちにこの気持ちを伝えたかった。伝えたい…だけど。

「…私、本当に臆病だよね…。伝えて気まずくなりたくないとか、色々理由つけて…。

結局、告白する勇気がないだけなのに…」

私はまた、ため息をついた。白い空気が夕暮れの空に消えていく。

『やらない後悔より、やる後悔の方がいい』

いつかどこかで聞いた言葉だ。分かってる。そんなの、分かっている。

でも実際は…怖くて、勇気が出なくて。

ただ一言が伝えられない。

「…あ」

目の前を白いふわふわが舞い降りていった。

「…雪だ…」

静かに雪が舞い降りてくる。私は空を見上げた。

どこまでも静かに、雪は降り続ける。

「…私みたいだな」

舞い落ちる雪と自分が重なった気がした。

静かに、でも確かにそこにある想いが、どんどん溢れていく。

そして、静かに地面に消えていく雪の姿は、私が伝えられない一言と重なって。

…本当に、このまま、この想いを伝えられないままでいいのだろうか。

「…多分、違う気がする」

私は気づいたら口から出たその言葉に自分で驚いた。

そうだ。彼への想いが伝えられなくても、この想いは雪のようには消えない。

きっと、きっと、ずっと残り続ける。

大人になっても、おばあちゃんになっても、残り続ける。

後悔しなくても、想いは消えない。

きっと、これから先、他の誰かを好きになっても。

この恋は、ずっと私の中にある。

「…走ろう」

私は、帰り道と逆方向の学校へと走った。

彼はまだ居残りをしていたはずだ。

例え叶わなくても。

例えこれから先のお互いの道が違うものでも。

それでもいい。

大切なのは、自分の想いを伝えること。

『大好き』

その気持ちをくれた彼に、しっかりと伝えること。

雪が降り続ける中、私は走った。

静かな道を、白い息を切らせながら。

大丈夫。もう迷いはない。

あなたがくれたこの想いを、確かに届けに行くからね。

しんしんと降る雪だけが、一人の少女の恋を見守っていた。

終。

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声に恋する。

素敵な声を求めて。ゲームやアニメや声優が好きなちょっと怖がりな人です。 絵を描くことで自分のことを表現できればと日々精進しています。 歌うことも好きで、よくカラオケにも行きます。好きなアイドルは嵐です。

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