彼女と彼は一目見た瞬間、お互いに似たものを感じた。
手と手を合わせた瞬間、お互いに今まで探していた相手だと確信した。
・
・
・
過去を遡ること2000年前。
彼女と彼は敵対する部族の町の娘と息子だった。
お互いひかれ合っていながら家族を裏切ることが出来ず、お互い別れを選ばざるおえなかった。
「約束だよ、僕達は来世で必ず再び出会う。その時にお互いに分かるようにこの緑色のブレスレットを左手に身につけよう。」
「分かったわ。絶対再びあなたと会える日の来る事を私は祈っています。」
・
・
・
そしてそれから1000年、2人は再び出会った。
「長かった。一目でキミだと分かった。」
「私も一目でアナタだと思った。」
再び出会った二人を試すように新たな試練がやってきた。
二人の住む国と隣国との間に争いが有り、二国の和解の為に彼女を隣国に差し出すことを条件に上げて来たのだ。
彼は断ろうとしたが、2人の住む国はあまりにも小さく弱かった。
民衆の為に国王である彼はどうしても、隣国と和解をしなければならなかった。
「ごめん。どうしても隣国と和解をしなければならない。」
「分かった。私、隣国に行く事にする。」
「また、離れ離れになってしまう・・・。」
「例え、今世で2人が離れ離れになっても、心は繋がっているから・・・。」
「そうだね。このブレスレットにまた、2人が会える事を祈る。」
こうして二人はまた、離れ離れの道を選ぶことになった。
・
・
・
再び月日は流れ、現代社会に生まれ変わった2人はまだ、お互いの存在に気が付いていない。
すぐそばに大切な人が居ることを・・・。
2人が前世の記憶を思い出すまで、後2年・・・。
―― episode 2 に続く ―-