絆の糸 ―― episode 3-1 宇宙へ ――

 西暦3xxx年、地球人は移住先を求め太陽系の惑星を旅していた。

いわゆる、宇宙バックパッカーと化していた。

その多人数にわたる無法宇宙バックパッカーを取り締まる意味で、宇宙警察EPS(earth protekuto service )が発足された。

 EPSの隊員であるスポイラ―(supoiler 望ましくない空気の動きを壊す)達はムーブブレイン(muove brein)という特殊な乗り物に乗り行動する。

 スポイラ―の星野 エリゼは星野 白群と光音の孫で15歳、未来では成人は13歳となっていた。

今回のムーブブレインで2機目になる。

1機目のプラトンはエリゼが月に突っ込み大破させた。

2機目のアドラーに乗ってから1週間になる。

「アドラー、何か笑えること言って?」

「はい。エリゼ様。いつも、物を借りに来る惑星は?」

「貸せ―(火星)。全然面白く無いじゃん!」

「すいません。じゃあ、近じか星の1つが解体されるという噂があるというのは?」

「えっ?ホント?マジ?」

「あながち、噂だけでは無かったようです。大規模な解体計画が持ち上がっているとブレーンの間ではもっぱらの噂です。」

「へー。ブレーン同士の意思の疎通が出来るんだ。」

「はい。中には恋愛感情になって問題になってるとか。」

「へー、アドラーでも恋するの?」

「ハー、私はー堅物と申しますか、興味が無いと申しますか。」

「アドラーって、人間だったんだよね?人間だった時、イケメンだった?」

「イケメンだったかどうか自分では何とも、神童とか天才とかいわれていましたけど。」

「アドラー、聞いちゃいけないとは思うのだけど、身体が死んだ時、何歳だった?」

「そうですねぇ。地球人でいう7歳でした。」

「事故?病気?」

「事故でした。」

「そうか、じゃあ、まだ、恋なんて知らない内に死んじゃったんだ。」

「正確に言うと、肉体が滅んだという事ですが。」

「そうなってから、親には会ったことがあるの?」

「私ども、ブレーンは生前の記憶を消され。それは両親にも施されています。われわれは機密事項ですから。」

「そうか。喧嘩してても親は居た方がいいのか・・・。少し疲れた。アドラー、私、眠るから自動操縦に切り替えて。」

「分かりました。」

「3時間後に起こしてね。地球との交信があるから。」

「分かりました。おやすみなさい。エリゼ様。」

ブレーンはエリゼが心地良い眠りに付けるよう、室内の温度や湿度、明るさ、音楽に至るまで、最高の状態に調整するのだった。

 1日の大半をブレーンと過ごすスポイラ―はいつしかお互いの身の上話をするようになるのだった。

それは親友でもあり、恋人、伴侶でもあった。

そんな2人の別れは急だった。

「エリゼ様、この度、アドラーは戦闘部隊の一員に任命されました。エリゼ様とはお別れに成ります。」

「アドラー。こんなに早くにお別れが来るとは・・・。」

「私も意外でした。どうも、銀河系の情勢が悪化したようで、応援に駆り出されました。」

「そうか、それは仕方がないな。」

「残念ですが、お別れです。」

「さようなら。」

「さようなら。」

こうして、2人にお別れが来ました。

絆の糸―― episode 3-1 墓場 ――に続く

  • 5
  • 0
  • 0

なないろびと

水彩画中心に絵を描いています。 先ずはやってみることが、私流です。 日々感謝の毎日です。 少しでも、みなさんに幸せを届けられますように・・・。

作者のページを見る

寄付について

「novalue」は、‟一人ひとりが自分らしく働ける社会”の実現を目指す、
就労継続支援B型事業所manabyCREATORSが運営するWebメディアです。

当メディアの運営は、活動に賛同してくださる寄付者様の協賛によって成り立っており、
広告記事の掲載先をお探しの企業様や寄付者様を随時、募集しております。

寄付についてのご案内