※使用ツール『GeminiAI Nano Banana2』
Episode5
以前の魔霧は、似たような夢を観ていた。
この頃は高校生だった。ガラが悪く、無愛想で近寄りがたい雰囲気。
怪異に好かれるようになったのは、【自分を褒めることができない】弱点。
追いかけられるような感覚は今でも覚えている。
精神が追い詰められている状況で魔霧は、他人に心を開くことすら困難だった。
現在はどうだろうか、自分がおかれている状況だからこそ。
ヤツと向き合う覚悟が必要だった。
そして背後の彼は容赦なくささやく。
『俺と向き合え。逃げたって何も解決できやしないさ』
今でも違和感を覚えている。
彼の獲物を見つめるような獣のような鋭い眼光が。
黑い影が青年の姿になると魔霧を覆い隠す。
今でも自分の部屋に入ると実感するだけ。
拳銃だ、おもちゃでも本物でもない。
魔霧はその拳銃を持ってしまい、いつ彼が来ても撃つように。
「行動するのは、今じゃない。」
ある夜の日

「…….という訳だ。つーか、ふたりがここまで話に真剣なんて驚いたよ」
「わたくしは、魔霧せんせーのお手伝いができないといけないからぁー。それにお化けに会いたい!」
「まったく。俺のいない間に魔霧が全部引き受けるなんて言ったから何事かと思えばよう」
夜の十七時過ぎに、初羽と恒聖がやってきて状況整理をしていた。
あまりにも魔霧が訳アリの怪異事件に首を突っ込み心配になってきてくれたのだ。
責任感が強い魔霧が、すぐにどこかへ突っ走ろうとする癖があるのを玲に知られたのが裏目に出たのだろう。
「でも、わたくしはこの本があるのでいざという時に物理攻撃でバーンとできますよ。うゆー」
「呪霊絡みだと聞いてお前、俺の評価をベラベラ喋っただろ。何かあったら相談しろよ」
それに依頼でのミスは、玲からのお仕置きが待っている。
そうならないためにも魔霧は必4になって作戦を考える。
「んー? どうしたんですかー。魔霧せんせー、顔色悪いですよー」
「だいぶ根詰めているんじゃないだろうな。無理はしないでくれ」
「はっ⁉ すまない、考え事をしていた」
当然ふたりには、本音がうっかり出ないように口は固めてあるのだが。
油断した時が一番怖い。
化け物相手にどう戦えと言うのも無茶な話だ。
魔霧は真剣にファイルにある三人の顔写真を見つめる。
すると背後からドスのきいた低い聞き覚えのある声がささやく。
『大変な仕事を任せられたようだな。お前に勤まるのかよ?』
(お前が出てくるまでもない。黙って私に従え。余計な事をしたら絶対に許さないからな)
「おー怖い怖い。ま、少しでもお前がミスしたら多少は笑ってフォローしてやるさ』
魔霧は彼をキッと睨みつけると初羽と恒聖は驚いた。
彼女ははっと我に帰りふたりの方を見てあやふやしながら。
「な、なんでもないから!気にすんな!」
ジト目になるふたり。
そして思い出した表情になる魔霧はギリギリの嘘で誤魔化す。
「あっ。そうだ!今回の依頼は私が引き受けるからふたりは試験勉強がんばれよ。大人は忙しいからなぁ」
と冷や汗を流しながら言い放ったのだった。

そして現在、魔霧は絶体絶命のピンチにおちいっていた。
目の前にいる三人の怪異たちと悪戦苦闘を繰り広げていた。
依頼という訳ではないがあの後、ふたりが帰った後に異変を感じた。
彼と共に異変がある洋館にいる。
そこは、魔霧が昔お世話になった恩師の家でもあった。
糸のスニーキング、飛び込んでくるナイフを避け、影を踏まないように体制をととのえる。
「なんなんこれ、全然思っていた以上なんだが……..手に負えないだろ」
『随分と苦戦しているようじゃないか。どうだ、俺に従って回避行動を考えないか』
「お断りだ!お前といるくらいならまだ交渉がマシに思えてくるぜ」
『強がって可愛いな。本当はこんな状況を超えられるのが苦しいんじゃないのかぁ?』
めちゃくちゃに煽られ、悔しそうに唇をかむ魔霧。
大嫌いで抗おうともしない、革命さえも望まない。
彼さえも。
頼まれごとも引き受ける責任感の強い愚かな青年がとった行動。
三体の怪異相手に何思う。
「その……….幽刻獲冴(ユウコク・エゴ)。私の為に革命の狼煙を立ててくれない?」
『ははははははははははっ!……..気にいったぜ、魔霧。俺と一つになれ』
彼女の背後に憑いている怪異に名前を名づけ、契約と言う名の受け入れ態勢。
人形、シリアルキラー、アンデッドなんて怖くない。
覚悟を決めた青年ととりまく怪異のバディ。
「失敗したらお仕置きではすまないよ」
『言われなくてもな、俺のお嬢様』

花咲くことを願う彼女と、エゴイストを貫く彼の決意が部屋中に響く。
続く
