座敷童との幸せな時間 1章 座敷童

 たくとに連れていかれて着いた場所は如何にもお化けが出そうな古くてボロボロの大きな屋敷だった。その途端、一瞬お化けが出るような建物じゃないかと疑った。

 寒気がするし怖かった・・・。ここで幽霊が出るのは勘弁してほしかった。

「ここがお気に入りの場所なんだ!お化け屋敷みたいで怖いだろ。」

 いやいやいや!!そこで「幽霊さんこんにちは」みたいな感じでばったり会ったらさすがに泡吹いて倒れそうだよ!

「しかしおめえ、へなこみたいでめんごいなあ・・・。」

「へっ?何言ってんの・・・?」

「ああ、今のは女の子みたいで可愛いなと山形の方言で言ったんだよ。おめえが弟だったらなよなよしてる顔で色んな人たちにモテモテだったろうなあ!」

 まあ、たくとも男らしい元気な体つきは僕も嫌いじゃないし、親しみを持ちやすかった。僕の顔自体そのぐらいモテるのか自覚してないけど。

 ってそれどころじゃない!早くここから立ち去りたいよ!!

「つむぎ、まだ震えてるのか?」

「そりゃそうだよ!!こんなバイ〇ハザードみたいな場所から早く立ち去りたいよ!!」

「おめえ、顔だけじゃなく中身まで女の子らしいな・・・。ここはあの有名な座敷童のいる屋敷なんだよ。」

「ざしきわらし・・・?」

「そっ!妖怪の座敷童だ!会うと幸せになれるとの噂で有名な妖怪さ!!」

 妖怪!?いやいやいや迷信だよね・・・。そんな嘘話は信じないよ!!

「嘘じゃねえ。昔の人たちが言ってたんだから本当だ!来いよ!一番の場所に連れてやる。」

 こんな日が暮れてきた時間帯で、妖怪がいる場所で肝試しするの!?

「いやああああああ!!」

「おいつむぎ!どこ行くんだよ!?」

 僕は全力で走っていったが道に迷ってしまった。しかもあの屋敷に後戻りしてしまうなんて・・・。しかもたくととははぐれちゃったし・・・。

 カサッ!

 ひい!!今何か草むらから音がしたよ!!

 ガサガサッ。

 ひいいいいい!!幽霊!?もしくはゾンビ!?逃げたいけど身体が強張って倒れたまま動けないよお!

「大丈夫?」

 あれ・・・?幽霊やゾンビというよりは人?その子との出会いで僕の物語が再び動き出した感じがした。

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イッチー

 アニメやマンガに、ゲームに小説を読むのが好きです。色々なイラストを描くのと少しビターな小説を描くのが得意です。イラストは小さい頃から描いてて凄く好きです。小説は登場人物が思い通りにならない話を書いたりするのが好きです。

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