謎の妖力で体を抑えられたたくとは恐怖で泣きそうだった。
「何してるの・・・?」
あおいの顔はまるで静かな閻魔大王が地獄の底から這い出たような表情でたくとを睨みつけていた。
まさか動かなくしているのもあおいの力だって言うのか!?
「君の望み通り、姿を見せたよ。でもその子、弟なんだよねえ。君が幸せになることについては自由だけど相手を泣かせて幸せを掴みとれると思うの?今の自分のやってることが独りよがりだってことわかってる?」
「ヒイイイイイ!!お前座敷童なのか!?頼む、俺を殺さないでくれえええ!!」
たくとはあおいの妖力を怖がって泣いていた。
「殺さないでくれ?・・・都合が良いよね。さっき弟のつむぎくんをあれだけいじめようとしたのに今更殺さないで欲しいは都合が良すぎるんだけど。それに僕は弱い者いじめをしている人間が嫌いなんだ。自分の行いを省みて後悔しながら僕の力で押しつぶされちゃえ!」
あおいの殺気立つ力はすさまじかった。
でもこれじゃあ本当にあおいが・・・
「ヒイイイイイイイイイイイ!!嫌だああ!!」
「やめろ!!」
「・・・・・・!!」
僕は悲痛の叫び声をあおいに向けた。
あおいは力を抑えてくれた。