「マリカ!大変!!お店、オープン出来そうにない。」
慌ててリリカが休憩中のマリカの所に飛んできた。
「どうしたの?」
冷静にマリカはリリカに聞いた。
「伝染病が流行して、お店が次々に閉店しているんだって、店舗も貸してくれそうにない。」
青ざめて血の気が引いた様な顔のリリカに対し、いつもと変わらないマリカは言った。
「リリカ、その事については私に考えがある。」
「マリカ、流石だわ。同じ双子なのにこうも性格が違うなんて・・・。」
「そうよね。おかしいわ。初めて立った時も、話した時も違ったと母が言っていたわ。」
「そうそう。」
「好きになる男の子も違っていたしね。」
「あはは。」
マリカの考えはこうだった。
「移動式のキッチンカーを使うの。オープンカフェよ!屋外でやるからそんなに気を使わないで良いし、店舗を借りる必要が無いわ。」
「そうね。」
「デリバリーも考えているの。」
「マリカ、素敵過ぎ!男前!惚れるわー❣」
「お店の名前、どうしようか?」
「花の無い花。」
「花の無い花か、そうだね、確かに華は無いから。」
お店のオープン3か月前、まだまだ、2人には困難が襲いかかって来るに違いないがなんとなくこの二人ならいけそうな気がした。
この時の2人には未来には明るい道しかないように思えた。