「マリカさん、お話があります。」
木川が突然、かしこまった話し方をしてきた。
「私にカフェを手伝わせてはくれませんでしょうか?」
「木川さんが?でも、木川さんには木川さんのお仕事があるのではないのですか?」
「失礼ですが、今の状態ではマリカさんにカフェの仕事は無理があると思います。」
「確かにそうです。ですから、店は畳もうかと・・・。」
「それでは2人が今まで頑張って来たことが水の泡になってしまいます。僕はこう見えても学生時代、大手カフェチェーンでアルバイトをしていました。だから、未経験ではありませんし、今の仕事にも行き詰まりを感じ、退職しようと思った時にマリカさん達のカフェの出会い、もう少し、頑張ってみようという気になって来たところで、休業してしまいどうしたものかと考えていた時にリリカさんに再会致しました。」
「リリカは何て?」
「リリカさんはマリカさんの意思にに任せると言っております。」
「そう、私はリリカと話して結論を出したいと思います。1ヶ月後に再びおいで願えませんか?」
「分かりました。姉妹でじっくり話し合う事も大事でしょう。僕は待ちます。どんな結果になろうと、待ちたいと思います。」
「ありがとう、木川さん。」
リリカとマリカはとことん話をした。
「マリカ、私、カフェを続けたい。」
「リリカ、私はもう、カフェを手伝えないよ。」
「マリカ、私は木川さんの御好意を受け入れたいの。」
「もしかして、彼の事が好きなの?」
リリカはこくんと頷いた。
「それなら、私は賛成する。木川さんは本当にいい人だわ。リリカの事ばかりか私の事も気遣ってくれる。」
「ありがとう、マリカ、私、彼と頑張る。」