Cross Over Is Like #01
2022年5月 好きなクロスオーバー作品をご紹介 愛及屋烏
Q.E.D. 証明終了 × C.M.B. 森羅博物館の事件目録
前述
①商業的テコ入れ
各ストーリーのキャラクターの共演によって話題を呼ぶ、不人気なシリーズに人気キャラクターを登場させて売上げを増やす、多くの巻数を必要とする複雑で雄大なストーリーを短い期間で展開できる、マンネリ防止などのメリットがある。
②オールスター物
巻数が最初から決定された新しいタイトルを作って、そこに既成のシリーズキャラクターを多数投入する「オールスター物」、あるシリーズに他のシリーズのキャラクターが登場するが、ストーリーの受け渡しがないカメオ出演や特別出演も、しばしばクロスオーバーと呼ばれる。
③同一世界観内共演
異なる主人公の物語同士が、同一世界、同一時間軸にあることを、作中で匂わされたりまた明示された場合、これもクロスオーバーと呼ぶことがある。
今回は①と③
自叙
『Q.E.D. 証明終了』は個人的に日本におけるコナン、金田一に次ぐ第三の長期シリーズの『ミステリー漫画』かと思う。含蓄というか、勉強になる、という意味ではむしろ一番かも知れない。
今でもコンスタントに続いているシリーズなので、かなり長く楽しめる。
賢すぎる主人公に対し、ヒロイン?の水原さんが強すぎて、謎の安心感がある。
丸腰のヒロインが狙撃体勢に入っているスナイパーとタイマンして、余裕で勝つ推理漫画はこれぐらいだろう。女武蔵とか言われたことも。
某ランネーチャンの様にヒロインピンチムーブをしたりしない。基本無双する。
Q.E.D. 証明終了
「以上、証明終了です」
『Q.E.D. 証明終了』は加藤元浩による漫画作品。
2009年にテレビドラマ化された。ジャンルとしてミステリーを謳いつつも、殺人事件に出くわすのは大体半分くらいの割合。
その殺人事件も他の作品では大抵は加害者が存在するが「結論として自殺だった」という事も少なく無い。
そして、事件と呼べないような日常の小さな謎を扱ったりするのが残りの半分。
コンゲーム(騙し合い)なども割とあり、こちらも面白い。
しかしそのいずれもが理路整然としたロジックで解決される様はお見事。
扱う事件も多岐にわたり(時には知人を騙した詐欺師と戦ったり、バイト先での複雑化した奇妙なトラブルを解決したり)する。
様々な理系知識の紹介とそれを絡めた事件も多く、そういった面でも楽しめる。
(ちなみに兄弟作品の『C.M.B.』では逆に歴史や地学等の話が多い)
現在は掲載されていたGREATとマガジンZとが統合されたイーノやマガジン+を経て、マガジンRにて連載中。
単行本は50巻まで刊行された後、マガジンR連載を期に『Q.E.D. iff -証明終了-』と改題して2022年4月時点で21巻まで発売されている。
雑誌を講読する人には親切な仕様として、基本的に1話で完結するスタイルをとっている。そのためコミックスも主要人物二人を基本覚えておけば読める。
ただその1話が約100ページにもなるので、しっかり読もうとすると結構疲れる。単行本1巻に僅か2話しか収録されない。当然、事件の巻跨ぎはない。
作者は親雑誌である月刊少年マガジンで同世界観の作品『C.M.B.』を平行して連載していた。
月の執筆量は合わせて約100ページと、総仕事量は何気に週刊漫画作家にも迫るほど。
『C.M.B.』については後述する。
作品概要
男勝りな女子高生・水原可奈は友人と共に友人の父親が被害者となる密室殺人事件の第一発見者となる。
その後、現場となったゲーム会社ビルの1階で可奈は、最近転校してきたという燈馬想と偶然に出会う。
15歳でMITの数学科を首席卒業したにもかかわらず、なぜか日本の普通の高校にやってきた想は、あまり同級生と接することはなく、他者にフレンドリーな可奈でもよく知らない少年だった。
他者の感情を読みにくいゆえに、対戦ゲームのトラブルに巻き込まれていた想を助けた可奈は、彼の頭の良さや電子機器に対する高い技術・知識を知り、友人を助けるために彼を巻き込んで事件の真相を探り始める。
行動的な可奈が情報収集を行い、想は得られた情報を基に論理的推察を行い、事件の真相を導き出す。
事件は無事に解決するが、困っている人を見ると助けずにはいられない可奈は、以後も自分の元にやってきたトラブルを解決するために、想を巻き込んでいく。
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