#6「KMK」
ちょっと…………なにするのよ…
一緒に来てもらうわよー♡
あ・な・た・た・ち
……
未梨愛と幹汰は、急に迫ってきた集団に拉致られる。
幹汰はここまで、未梨愛の顔ひとつ見ないで喋らない…………
それを察して悲しくなった未梨愛は拉致られている間、幹汰のことだけ考えて無言だった。
着いたわよ……ここがワタシタチのアジト。
……なんなんですか、あなた達は……
無表情で自分たちを連れてきた集団の代表格に問いかける。
集団の代表は、幹汰の顔をマジマジと見つめて両頬を触る。
あらぁ……かわいい!!
近くで見ると、あなた美少年じゃな~い……
…… …
ちょっとした、あんたが触ってくるから…… …
その子怒っちゃったじゃな~い。
そういうあんただってぇ……髪の毛触ってるじゃな~い。
かわいいんだものぅ……
しょうがないわよねぇ。
無表情の幹汰の髪の毛を触ったり、頬に触れたりなどして、この2人はテンションが上がっている。
用がないなら俺たち、帰りますよ?
あぁん……帰らないでぇ……
もっと触れていたい…じゃなくて、言うことがあるのよ
なら、早く済ませてください……
僕らはいま狙われているので。
知ってるわよ~
TVで放送される前から、あ・な・たのことは。
え・・・・・?
集団の代表格2人は、幹汰の情報がライザックの手により流される前から知っていた。それに驚いた幹汰は2人を交互に見るが知り合いではないので困惑する……
この人達は……一体・・・・??
公開プロフィール以外の情報もある程度知っているわ……
その上でわたしたちは、あなたたちを保護しようって決めて作った団体なの。あなた達に直接、手を加えることもしなければ懸賞金目当てでもないわ!!
よく知りもしない人間に、そんなこと言われて信じるとでも?
そうねぇ……自己紹介がまだだったね……
私は、三加和祐真。
こんな見た目だけど……性別は、お・と・こ♡
よろしくねん!
この人男だったのか……
ってことはオカマ???
そしてわたしはぁ……ここのサブリーダー
三加和と同じでお・と・こ ♡荒生璃子よん!
私たち女装してるし所謂オカマってやつだけど、人権はちゃんとあるわよん。
こっちもかよーーー!!
オカマ2人が率いる謎の集団。彼らは俺たちを守りたいと言ってくれていたが……
俺は彼らのことを知らないのにむこうが一方的に俺のことを知っている。
しかも未公開情報も仕入れているとのこと。正直言って……まだ信用できない。
でも連れてこられたこの場所はちゃんとカメラとかもあってしっかりしている。
私たちが何故、あなたを知っているかというと、私にはあなたと同じくらいの息子がいるの……
そしてあなたと同じ学校に通っているのよ……
その息子から、あなたの情報を入手しているわ。
そういうことか……その息子さん、いまはどこに?
いまは会議に出ているわ……まもなく終わると思うけど……
その時に紹介するわね!
どうやら嘘じゃないらしい……俺を拉致った理由も判明している。
あとは、この人達の情報がもっと必要だ……
この団体を作ったのは私だけど、作ろうって言ったのは息子なの。
あなたのこと気に入ってるみたいでぇ……
守りたいって言ってて……
うちの息子、あまり自分から我儘を言わない子だったから……特別に許可して作ったのよ……
団体名もあるけど、恥ずかしいから正式名称は伏せておくわwww
通称KMK。KMKって呼んでね……
KMK一体なんの略称なんだ……
息子に聞けば、正式名称教えてくれると思うから!!
それから俺は三加和さんにこの団体ができた経緯とその息子の情報を収集した。
どうやら、本当に俺を守る団体で警備も整っていて、この人達は悪い人ではないようだ。あと、知りたいのはその息子についてかな……
こんなところだけど……ほかに聞きたいことある?
ライザックやギャラリーに俺のいまの場所とかは漏れてるの?
その心配もないわ!!
この施設に入った時点で私たちとあなた達にしか見えないように設定しているから、いまはゲームではみんなあなたのことを探しているようだけどこの施設から出たら魔法が解けちゃうから……気をつけてね。
へぇ……すごいな……
侵入者がいたらあのベルが鳴るから大丈夫よ……
そうだ、これ!つけておいて。あると便利だから……
そういって渡されたものはブレスレット…………
これは?
このブレスレットをつけているといつでもここに入れるの……あなた達のニオイが消える仕組みにもなっているわ
そんな仕組みになっているのか…
ブレスレットを腕に通すと“対象を確認しました……姫路幹汰本人です。本人確認を終わります”というボイスが流れた。
第7話へ続く