…ある晴れた昼下がり。
今日も今日とて、みる、イミア、サラミは、みるの家に集まってのんびり過ごしていた。
「ねえねえ、みる。みるはレフィールさんのどこを好きになったの?」
突然のイミアの質問だが、みるは動じずに答える。
「どこ?…全部。」
「えーっ、そういうのじゃなくて、もっと何か特別好きな部分は無いの?」
「特別?…だから全部含めてレフィが好きなんだけど。」
「逆にイヤな部分は無いのか?」
サラミが更に突っ込んだ質問をして来たので、みるは考えながら言う。
「イジってくるとムッとするけど、悪意が無いって知ってるし、戦闘相手になると強いからすごく疲れるけど、頑張ったなって頭ぽんぽんしてくれるし、ちゃんとイベント事は全部付き合ってくれるし。会えなかった分のバレンタインのチョコとか、時間かけて食べてくれてるし…あ、レフィは甘いもの好きじゃないから、基本はビターだよ。」
「…みる、アタシはイヤな部分って言ったんであって、ノロケろとは言ってないぞ。」
「それなら逆にレフィールさんが、みるの苦手なところとかあるかな?」
ふと、疑問を口にしたイミア。イミアのその言葉に、みるは固まった。
「「みる??」」
イミアとサラミが見ているのを気にせず、みるは胸をペタペタと触っている。
心なしか、酷く俯いて。
「……やっぱり男の人って胸とか身体の作りを気にするかな…。レフィ、どこの世界でもモテモテでさ、私とレフィって身長差もかなりあるじゃない?……たまに寄って来る女の人が、だいたいそれなりの身体で、それなりの胸あるんだよ……。」
それは、みるの唯一のレフィールへの地雷だったのだろう。
みるはポロポロと涙を零し始めてしまった。
気付いた2人は慌てて、みるを慰める。
「だ、大丈夫だよ!そのうちみるだって大きくなるよ!」
「私、女神の力があるから、成長がすごく遅いの…。」
「う…あ…そ、そうだとしても…ね?大丈夫だよ!」
「誰しも見た目だけじゃないだろ!?あんなに2人ともラブラブだし!」
「そうかなぁ……ぐすっ…。」
・
…一方その頃、ユリィの家にいるレフィールは。
「なあ、ユリドール。何故女は自分の体型を気にするんだ?」
「またその話?ちゃんと貴方から、みるに言いなさいよ。体型なんか気にしてないって。」
「何度言っても気にするから困っているんだ。」
「貴方がちゃんと、寄って来る女を避けないのが悪いのでしょう。」
「避けても避けても引っ付くヤツが沢山いる!!そしてそういうのに限って、だいたい胸があって体型も男が寄りそうな身体なんだ!」
「そうでしょうね。貴方を引っ掛けたいのだから。」
「オレにはミィがいるのに、何で奴らはわからないんだ!?」
「みるが、お子様体型だからでしょう。」
「そんな既製品のどこが良い!?ミィはまだ発達中だ!オレの好きなように出来るミィの方がいいだろうが!!」
「ハイハイ、わかったから本人に何万回でも言ってあげなさい。」
「イジって本気にしたり、オレの戦闘に唯一ついて来れる、女神の修業もして、分厚い魔導書も読んで、オレの好みを考えてイベントのプレゼントをくれる、そんなみるの全部が好きなのに…。」
「そう思うなら、頑張ってバレンタインのチョコを消化しなさい。」
ユリィは呆れ果てながら、レフィールの目の前に、みる手作りの溜まったバレンタインのチョコを出した。
「もちろん、全部オレが消化するとも。司書にも魔術師にも誰にも渡すか。」
レフィールは当然のように、ユリィが保管していたチョコを持って帰っていく。
「…どんな体型だろうが種族だろうが、みるだったら良いくせに。」
それは当然みるも同じだと、ユリィは知っている。
終わり。
※バレンタインの伏線回収と2人の好き加減をアピールしたかっただけ回。
レフィールはロ◯コンではありません。
みるも、いつかは大きくなります(多分。きっと。おそらく)。