Cross Over Is Like #06
2022年8月 好きなクロスオーバー作品をご紹介 愛及屋烏
名探偵キャサリン vs 十津川警部
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西村京太郎サスペンス 十津川警部シリーズ
こちらはTBS系の『月ミス』版のドラマの事。
制作当初は、まず3作品を放映する予定となっていたが、以後、第1作放映から毎年新作を放映(2回の時間枠名の変更を挟んで)、2015年まで続いた全54作品の人気シリーズである。
同じ原作の『西村京太郎トラベルミステリー』シリーズが順調に新作を放映する一方で、他局2時間ドラマ枠で『十津川警部シリーズ』がドラマ化・シリーズ化されても、放送枠自体が長続きせずに消えてしまう例が続いていたが、この渡瀬主演版は原作の設定年齢に比較的近い配役だったこと等から好評を博し、「トラベルミステリー」シリーズに匹敵する第2の長期シリーズとして定着した。
失礼な話だが、トラベルの方の十津川の配役でアダルトなラブロマンスは発生しないだろう。
少なくとも、女弁護士やら雑誌記者、更に県警の女主任、新人女刑事に惚れられる、モテモテの十津川は渡瀬恒彦じゃないと無理だろう。
シリーズ開始以来、1995年・2003年はそれぞれ年間4作を放映するなど、年平均2作強というハイペースで新作を放映し続け、撮影・放映のペースにおいては「トラベルミステリー」シリーズを上回っていた。
渡瀬は2005年のシリーズ第35作「金沢加賀殺意の旅」で、日本で一番多く十津川警部を演じている俳優となり、第54作まで主演、記録を更新し続けた(渡瀬の新記録樹立前の記録保持者は「トラベルミステリー」シリーズで20年間・34作で、十津川警部を演じ続けてきた三橋達也)。
また、本シリーズの渡瀬恒彦と伊東四朗(亀井刑事役)によるコンビは同一俳優コンビによる共演最多回数の記録を更新した。
本シリーズと同じドラマ枠で放映された山村美紗原作の『名探偵キャサリン』シリーズとは接点があり、十津川警部シリーズ第14作「海を渡った愛と殺意」(1997年)には希麻倫子(演:かたせ梨乃)と狩矢警部(演:西岡徳馬)が出演する(この作品放映にあたっては、西村が放映のために原作を準備している)。
そもそも渡瀬版では、妻の『十津川直子』をかたせ梨乃が演じており、劇中で亀井刑事が警部の奥さんに似ている、と指摘している。
一方、名探偵キャサリンシリーズ第15作「名探偵キャサリンvs十津川警部 京友禅の謎〜華の密室殺人事件〜」(2006年)には十津川省三(演:渡瀬恒彦)が出演している。
このため、渡瀬が十津川を演じた作品の総合計は55作品となる。
(ただし「京友禅の謎」はあくまで山村作品であり、渡瀬が招かれたものの西村は関与しておらず、亀井刑事も登場しないため、TBS版「十津川警部シリーズ」では番外編としても扱われていない)
キャサリンシリーズ
初登場時は、アメリカの大学に在籍する二十歳の学生であり、当時アメリカ副大統領であった父親のルイス・ターナーに同行して初来日した。
この際、キャサリンが生け花を教わろうとしていた女性が毒殺されたことをきっかけに、彼女のエスコート役を務めた大学助教授で後に恋人となる浜口一郎とともに事件に首を突っ込むことになる。
後にアメリカの雑誌記者という身分になる。 資産家のお嬢様で、スタイル抜群、飛び切りの美人。 実家は大手の車メーカーのため手に入らないものはないとされるが、彼女は浜口がプレゼントした貴金属を好んで身に着けている。
殺人事件についてキャサリンが進んで首を突っ込むことが殆どであり、奔走して集めてきた情報を浜口と一緒に整理・推理するというのが恒例。
山村美紗の生み出したシリーズキャラクターの中では最も作品数が多い。
時々、「ターナー・キャサリン」と書かれていることがある。
十津川警部や浅見光彦について、前述した様な事件の使い回しor主人公の変更はキャサリンにもあり、彼女が解決した事件を他のキャラが解決する事も多い。
名探偵キャサリン
山村美紗の「キャサリンシリーズ」を原作としたテレビドラマシリーズ。
まずは『かたせ梨乃』版の設定を紹介する。
1996年から2006年までTBS系で放送されたシリーズ。全15回。
原作では、アメリカ副大統領令嬢であるキャサリン・ターナーを、日本人で社長令嬢兼スチルカメラマンの希麻倫子(きあさ りんこ、愛称はキャサリン)という設定に変更し、倫子が殺人事件の謎を解いていく内容となっている。
また、恋人の浜口一郎は倫子の助手という設定に変更されている。
1979年に原作準拠のドラマもあったのだが、そちらは主人公が狩矢警部となっている。
2015年9月、テレビ朝日系でシャーロット・ケイト・フォックス主演(連続テレビ小説として初の外国人ヒロインを『マッサン』で演じた)で『名探偵キャサリン』が放送された。
秋田書店から出ている漫画版の印象は彼女に近い。
キャサリンを原作通りにアメリカ人女性が演じることは初めてで、セリフはほぼ全編日本語で展開された。浜口一郎役は谷原章介で、狩矢警部は登場しない。
主に部下の橋口(普通に原作・他シリーズにも登場する)が捜査の主体になる。
タイトーから発売されたFCの山村美紗サスペンスシリーズでは設定は原作準拠。
京都龍の寺殺人事件・京都花の密室殺人事件の2作品。
ちなみに前者はゲームセンターCXで有野課長に実況されている。十津川ゲームの実況を含めて、ADVと相性が良いのか、実に面白い。
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