Cross Over Is Like #09
2022年9月 好きなクロスオーバー作品をご紹介 愛及屋烏
NAMCO x CAPCOM
PROJECT X ZONE
PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD
溢れだす森住臭・ゲームメーカーの祭典
前述
①商業的テコ入れ
各ストーリーのキャラクターの共演によって話題を呼び、不人気なシリーズに人気キャラクターを登場させて売上げを増やす、多くの巻数を必要とする複雑で雄大なストーリーを短い期間で展開できる、マンネリ防止などのメリットがある。
②オールスター物
巻数が最初から決定された新しいタイトルを作って、そこに既成のシリーズキャラクターを多数投入する「オールスター物」、あるシリーズに他のシリーズのキャラクターが登場するが、ストーリーの受け渡しがないカメオ出演や特別出演も、しばしばクロスオーバーと呼ばれる。
③世界観内共演
異なる主人公の物語同士が、同一世界、同一時間軸にあることを、作中で匂わされたり、また明示された場合、これもクロスオーバーと呼ぶことがある。
自叙
ロボット縛り(最近は怪しいが)のスーパーロボット大戦と違い、生身の下手をすると戦えない作品でも参戦可能なクロスオーバーの祭典。大好物です。
namco×CAPCOM
不思議の国のアリス
『namco×CAPCOM』(ナムコクロスカプコン)は、2005年にカプコンの許諾の元、モノリスソフトが開発し、ナムコ(現:バンダイナムコゲームス)から発売されたPS2専用のシミュレーションRPGである。
ナムコ、カプコン双方の新旧キャラクターが計200人以上も登場するクロスオーバー作品。
ディレクターの森住惣一郎とプロデューサーの石谷浩二は、両者ともかつてバンプレストで「スーパーロボット大戦」シリーズに関わっていたこともあり、原作作品からのゲストキャラクターとゲームオリジナルの主人公の競演といった点や、ゲーム自体の世界観、シナリオやシステム面、オリジナル主人公のデザインやキャラクター性などに色濃く影響が表れている。
余談ではあるが、クロスオーバーのお祭りゲーらしく、色々な小ネタがシナリオやキャラのセリフなどあちこちに仕込まれているのだが、だれが得をするのかというぐらいマニアックだったりする。
具体的には、平気で登場ゲームが原作のゲームブックネタが使われてたり、全然関係のないアニメやゲーム作品などのサブカル的なネタが頻出したり、といった具合。
主人公・有栖零児は持ち前の実直な性格と冷静なツッコミにより、極端な性格の曲者揃いのパーティを一人で見事にまとめてあげている。
もう一人の主人公である小牟は、まとめ役を零児にすべて任せてプロレス・アニメ・ゲームのパロセリフを喋りまくっており、プレイヤーを驚愕させ爆笑させた。
会話の脱線ぶりや、それに引率役・零児のツッコミと敵役側のリアクション等も、一種の名物となっており、その要素は後の関連作「無限のフロンティア」シリーズ、ナムカプの続編に近い「PXZ」にも多かれ少なかれ反映されている。
原型は、ナムカプと同じ「複数の世界観を巡る物語」というコンセプトの企画であった。
当初はそれにナムコ版権のキャラクターがちょこっとゲストで登場する、くらいの想定だったらしいが「出すのであればゲストではなく操作できるキャラクターにしたい」という意向からナムコキャラをメインにした企画へとチェンジし、更にはカプコンとのクロスオーバーにまで発展して、あれよあれよとオールスター企画へと様変わりしたとのこと。
今ではナムカプの顔とも言える零児・小牟・沙夜も、この企画の最初期からのキャラクターであった。
あらすじ
かつて「ゆらぎ」をもたらし世界に混沌を招こうと企んだ組織「逢魔」とそれを阻止しようとした政府直属の特務機関「森羅」との戦いは、森羅の側の勝利に終わった。
10年後。
20XX年渋谷にて、防がれたはずの「ゆらぎ」が発生し、様々な異世界が繋がり、それぞれの世界で倒されたはずの悪役たちが次々と復活し、世界を混迷の影が覆っていくことになる。
「森羅」に所属するエージェント、有栖零児と小牟は、「ゆらぎ」の真相を追う中で、様々な異世界へ迷い込み、その地で活躍した英雄たちや戦士たちと出会い、協力しながら事件の背後にいる黒幕を追ってゆくことになる。
森住惣一郎
元バンプレスト所属のクリエイター。明治学院大学経済学部経済学科出身。既にワープロ全盛の時代に手書きの分厚い企画書をバンプレストに送った所、その話がスーパーロボット大戦シリーズのプロデューサーであるじっぱひとからげの耳に入り、それをきっかけに同社に採用され、ゲームクリエイターの道を目指す切っ掛けとなった。
その後、バンプレストの子会社であるバンプレソフトのSR(スーパーロボット)プロデュースチームに所属し、スーパーロボット大戦シリーズなどの開発に参加、シナリオやプロデュースを担当。軽妙かつ「アツイ」テキスト回しに定評があった。ポニーテール好きとしても知られ、制作に携わったゲームのヒロインをポニーテールにする事も多い。
スーパーロボット大戦OGの制作後にバンプレストを退社、モノリスソフトへ移籍した。
移籍後もスーパーロボット大戦シリーズに携わっており、無限のフロンティアシリーズではディレクターとして制作を取り仕切っている。
『無限のフロンティア』のキャッチコピーは
「ここが、無限のフロンティア。」
だが、寺田貴信氏に言わせれば、真のキャッチコピーは、
「これが、森住惣一郎。」
らしい。2017年4月にモノリスソフトからトライクレッシェンドに移籍した。 本人によると円満退職とのこと。
やたらとこだわりの強い人物で、特に作品での固有用語にドイツ語を多用する傾向にあるのが代表的。本人は「前世がドイツ人だったんじゃないですかね」と笑って話している。
多くのパーソナルトルーパーの名前がドイツ語となっているのは、森住氏の命名のためである。『新スーパーロボット大戦』に登場するパーソナルトルーパーが「R-1」と簡単な名前になっているのは覚えやすいものにする為だったが、森住氏が『COMPACT2』でドイツ語名を復活させてしまった為、以後の作品でも「PTの名前はドイツ語」というルールが誕生する事となった。
スパロボのオリジナルメカでは、一ユーザーとして遊んでいた頃からゲシュペンスト〈幽霊〉が好きであり、実際に彼が設定した「アルトアイゼン〈古鉄〉」や「ヴァイスリッター〈白騎士〉」もゲシュペンストの派生機。ゲシュペンストが独語なので、その派生機も独語名にすると当初から決めていたという。
寺田氏からは
「ドイツ語は程々にして欲しい」「ネーミング方法がドイツ語か、元の読みに別の漢字を当てるか(例:月下美人⇒月架美刃)の2パターンしかない」 「脳ミソが80年代で止まっている」
等と言われている。
その他、自身がディレクターとシナリオを兼任した作品では非常にマニアックなネタをこれでもかといいたくなるほどの物量でぶち込んでくるのも特徴である(特に『NAMCO x CAPCOM』とその関連作品)。
その一方で、『IMPACT』の制作の際には長大なシナリオをなんの捻りも配慮もないままただ順に並べてしまった結果プレイに負担が生じるレベルのボリュームと化してしまったり、『ナムカプ』でもキャラの掛け合いやネタ要素が評価される一方でシナリオの単調さが問題視されていたりと、シナリオ構成の面ではやや粗が多い傾向にある。この辺りは別途、後述する。
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