夏の日の淡い香り その1

あれはとても暑い夏の日の出来事だった。

街中を行き交う人々は日傘を差したり、ハンカチで額を拭ったり、その暑さを凌ぎながら歩いていた。

この季節になるとあの香りを思い出す・・・。

僕は会社を退社し、街中から帰途に就く途中、とある女の子と出会った。

その女の子に突然話しかけられたのだ。

「あの・・・。もしよろしければ私と少しお話ししてもらえませんか?」

と。

僕は逡巡して辺りを見渡しながら、自分に話しかけられているのか戸惑いながらもこう応えた。

「僕?」

僕はパット見一回り以上離れていそうなその子が何故僕に話かけているのかまったく分からなかったが、エキゾチックな特徴的な恰好と濃いメイクをしているその子に少し興味を持った。

「君、歳いくつなの?僕みたいなおじさんに何か用?」

「私、今年で23歳になります。貴方様はおいくつですか?」

「僕は今年で36歳。」

「そうだったんですね。見た目がお若いので20代後半か30代前半だと思ってました。」

「それで話したい事って何?」

「実は・・・。その・・・。今度私のお兄さん役になってもらえないでしょうか?」

「一日だけでいいので。」

事情が良く分からないので何て答えていいか分からずにいるとその子はこう言った。

「報酬は勿論お支払い致します。どうかお願い頂けないでしょうか。」

「事情は少し訳があって申し上げられないのですが・・・。」

「なんだかよく分からないけど、具体的に僕は何をすればいいのかな?」

「それも今は申し上げられません。連絡先だけ差し上げますので後ほど連絡くださると助かります。」

と、名刺の様な物を渡された。

その2へ続く。

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花の母としての気持ち

初めまして。花の母としての気持ちと申します。 好きな人物を模写、デザイン、詞、小説を書くのが好きで麻雀も好きです。 普段手が空いている最中にやっていることではまっている事はリズムを心の中で刻んだり、即興で簡単な歌を作って 鼻歌を歌ったりする事。 苦手な事は、面倒くさい作業をすること。これは今克服しようと努力している最中です。 どうぞよろしくお願いします。

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