夏の日の淡い香り その7

その直後携帯から通知が鳴った。

架瑠ちゃんからだ。

「明日お会いできるのがとても楽しみです。夕食は済みましたか?」

僕はこう返した。

「明日会えるのが僕も楽しみだよ。夕食はさっき食べ終わったところ」

「それは嬉しいです。私も先程夕食を済ませました」

「もしよろしければ今日もお電話したいのですがよろしいでしょうか?」

「話したいのは山々だけど、明日話ちゃうことなくなっちゃうかもよ?」

「それもそうですね。じゃぁ今日は我慢します。いっぱい楽しい一日にしましょうね。」

・・・と、僕は忘れていた事を思い出した。

明日がお兄さんになる日なのか、それともデートなのかどちらかを。

それを今聞いてみることにする。

「一つ聞きたいことがあるのだけど、明日はデートなのかな?それとも僕に最初に言ったお

兄さんになってもらいたい日なのかな?」

「明日はデートの日兼テストの日です」

「そうなんだ。分かった。何をテストされるのだろう?」

「それは内緒です」

「そっか。分かった。」

「明日を楽しみにしています。それでは。」

テストって何だろう?

・・・と、思いながらも僕は久しぶりに好みの子とデートができる事に胸がウキウキしていた。

僕はまたベランダに出た。

そしてお気に入りのジッポでセブンスターに火をつける。

どうか明日が晴れますように。

翌朝僕は7時に目が覚めた。

そうだ。今日は架瑠ちゃんとデートだったんだ。

僕は携帯の音声認識で「今日の天気を教えて」と言った。

降水確率10%の晴れ、最高気温32℃と出ていた。

どうやら今日は晴れて結構熱くなるらしい。

その8へ続く。

  • 1
  • 0
  • 0

おすすめのタグ

花の母としての気持ち

初めまして。花の母としての気持ちと申します。 好きな人物を模写、デザイン、詞、小説を書くのが好きで麻雀も好きです。 普段手が空いている最中にやっていることではまっている事はリズムを心の中で刻んだり、即興で簡単な歌を作って 鼻歌を歌ったりする事。 苦手な事は、面倒くさい作業をすること。これは今克服しようと努力している最中です。 どうぞよろしくお願いします。

作者のページを見る

寄付について

「novalue」は、‟一人ひとりが自分らしく働ける社会”の実現を目指す、
就労継続支援B型事業所manabyCREATORSが運営するWebメディアです。

当メディアの運営は、活動に賛同してくださる寄付者様の協賛によって成り立っており、
広告記事の掲載先をお探しの企業様や寄付者様を随時、募集しております。

寄付についてのご案内