夏の日の淡い香り その12

この後どうしようか?

と思いながら、色々思案していると架瑠ちゃんの方から行きたい所があると言ってきたので次はそこに行くことにした。

と、僕を百貨店に連れて行った。

そこで男性用のお店を色々巡った。

そして、お店の外で待っていてくださいと架瑠ちゃんに言われて、お店の外で待った。

「お待たせしました」

と、架瑠ちゃんは帰ってきた。

僕はもしかして僕にプレゼントを買ってきたのかと思いこう聞いた。

「もしかして僕にプレゼント?」

「あ、やっぱり分かりました?」

「じゃぁ、さっそくお渡ししますね。カキ氷のお礼と今回のデートのお礼です。」

僕は中身をさっそく開けてみた。

そしたら、ライターが入っていた。

僕が使っているジッポより遥かに高そうなライターだった。

「どうですか?お気に召されました?」

「もちろん!これ高かったでしょ?」

「はい。高かったです。でもそれ以上に気に入って使ってもらえると私は嬉しいので」

「それとずっとお話しないといけないと思って保留にしていたのですが、私昔兄がいました」

「事故で亡くなってしまいましたが・・・。私兄と凄く仲が良くて、一緒に買い物とか恋人みたいにしていました。」

「良太さんを初めて見た時兄に凄く似ていたので身体がとまらなくて話しかけてしまいました」

「でも私転勤する事になりまして、もう良太さんにお会いする機会がなくなりそうなんです。」

「だから少しでも私がいた事を思い出して欲しくてそのライターをプレゼントしました。」

「そうだったんだね」

僕は急な架瑠ちゃんの告白を受け止める事ができず悲しい気分になった。

「もう会えないってどこに引っ越す事にするの?」

「九州です。」

「なるほど。遠いね。」

「落ち着いたら手紙を書きますよ」

「分かった。僕も書くよ」

と、僕は彼女の告白で調子が悪くなったせいもあり、今日はこの辺りで帰ることにした。

帰宅し、僕は架瑠ちゃんからもらったライターでセブンスターに火を点けた。

せっかく出会って楽しかったのに、急に悲しくさせる架瑠ちゃんを少し恨んだが、気持ちを切り替えていくしかない。

何年後かにまた戻ってくるかもしれないし。

そう思いながらセブンスターをくゆらせながら思った。

・・・それから3年の月日が流れた。

定期的に手紙のやりとりはしていたが、今回はこんなお手紙が届いた。

「良太さん。ご無沙汰しております。実は来年宮城に戻れそうなんです。私のプレゼントしたライターは使って頂けてますか?また良太さんにお会いできる日を楽しみにしております。」

と、書いてあった。

あれから架瑠ちゃんの付けていた香水を僕も買い、たまに付けている。架瑠ちゃんを思い出しながら・・・。

そして、僕は架瑠ちゃんからプレゼントされたライターをクルクル回しながら時が経つのをただ・・・ただ・・・待った。そしてこれからもずっと・・・。

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花の母としての気持ち

初めまして。花の母としての気持ちと申します。 好きな人物を模写、デザイン、詞、小説を書くのが好きで麻雀も好きです。 普段手が空いている最中にやっていることではまっている事はリズムを心の中で刻んだり、即興で簡単な歌を作って 鼻歌を歌ったりする事。 苦手な事は、面倒くさい作業をすること。これは今克服しようと努力している最中です。 どうぞよろしくお願いします。

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