片思い~その2~

とある日の会社からの帰り道、そのお土産屋さんに寄って何か買って帰ろうかと思案した。

駅構内を歩いて、今日はこの時間にいるのかと胸を躍らせながら店に近づく。

近くに行っても彼女の姿は見えない。

どうやら今日は休みなのかもしれない。

少し気が沈んだが、せっかくなので何か買おうと思い店内をうろうろしていた。

初めて入ったお店なので新鮮さを味わう。

「いらっしゃいませ」

と、店員が声をかけてきた。

こういうところの販売員は本当に素敵な笑顔で声をかけてくる。

僕は何か甘い物を食べたかったので、色々商品を吟味していた。

しかし、今日は何か買うのは辞めることにし店を出た。

帰途の最中、喫煙している人が何人かいて、煙草の煙が鼻に入った。

何ともいえない臭い匂いに煙草なんてなければいいのにと嫌煙家の僕は思った。

家に着くとサービス残業で仕事を1時間程し、出来合いの食料宅配サービスを湯銭にかけて解凍し、夕食を作り食べた。

そういえばあの販売員の女性は煙草を吸うのだろうか。

以前、煙草を吸う子に告白されたことがあるのだが、喫煙している事を理由に断った事がある。

僕にとってパートナーとなる女性が煙草を吸うのはNGである。

衣服に煙草の匂いが染みついてるのが何とも嫌な感じだし、抱きしめた時に女性の髪の毛が煙草臭いと嫌だからだ。

ふと、あの販売員の女性のことを想う。

何歳で何処が出身地でどんな人生を歩んできたのか。

好きな音楽や、映画、本、どんなことに興味があるのかなど。

僕は恋に落ちているのだろうか。

気になるということは恐らくは恋に落ちかけているのだろう。

何とか接触の機会がないか思案しているのだが、どうやってアプローチをしていいか分からない。

やっぱりまずは馴染みの客になることからだろうか。

僕は一旦彼女のことは忘れて、90年代後半のポップスを聴きながらネット麻雀を打つ。

「乾いた風を絡ませ。あなたを連れてくのさ。」

この曲は98年頃の曲だろうか。

ネット麻雀は趣味の一つだが、仕事が忙しいのもあって打っても、東南戦を一日2試合が限界である。

本当はもっと打ちまくって上の方へ行きたいのだが、社会人になると中々そうも言っていられない。

そろそろ30歳に差し掛かるし、彼女を作って結婚というパターンにならないかと思った。

以前は僕も煙草を吸っていた時期があったのだが、煙草を辞めてから雀荘にも行けなくなった。

煙草がどうしても駄目でもうフリー通いができないと感じたからだ。

元々煙草を吸っていた人程、煙草を辞めると嫌煙家になりやすいと聞いたことがある。

まさしく僕だ。

だからネットとは言えど、麻雀が打てる環境があるのはありがたいと感じている。

僕は自分でも認識しているのだが、ロングスリーパーである。

一日9時間位は寝ないと、昼間眠くなってくる。

なのでショートスリーパーの人が羨ましい。

いつも夜9時には寝て、朝の6時に起きて10分程散歩をしている。

会社の健康診断の結果はいつも良好だし、この先病気になることも当分の間は恐らくはないだろう。

今日のネット麻雀の結果は2位2位。

ぎりぎりのところでまくられて、もうひと踏ん張りで負けた感じである。

今日はもう歯を磨いて寝ることにする。

明日はあの販売員の女性と会える事を願って。

その3へ続く。

  • 0
  • 0
  • 0

花の母としての気持ち

初めまして。花の母としての気持ちと申します。 好きな人物を模写、デザイン、詞、小説を書くのが好きで麻雀も好きです。 普段手が空いている最中にやっていることではまっている事はリズムを心の中で刻んだり、即興で簡単な歌を作って 鼻歌を歌ったりする事。 苦手な事は、面倒くさい作業をすること。これは今克服しようと努力している最中です。 どうぞよろしくお願いします。

作者のページを見る

寄付について

「novalue」は、‟一人ひとりが自分らしく働ける社会”の実現を目指す、
就労継続支援B型事業所manabyCREATORSが運営するWebメディアです。

当メディアの運営は、活動に賛同してくださる寄付者様の協賛によって成り立っており、
広告記事の掲載先をお探しの企業様や寄付者様を随時、募集しております。

寄付についてのご案内