片思い~その5~

その後ゲーセンをうろうろし、外に出て閉店間際の衣料品店に顔をだして時間を潰した。

今は8時27分。

そろそろバーに行こうかと思い、目的の店に向かった。

「甘めで何かお勧めのウイスキーはありますか?」

「ショットでストレートでください。」

と、僕は言った。

「こちらはいかがでしょうか?」

と、店員は見たこともない銘柄のウイスキーを提案してきた。

「ではそれで。」

僕はそのウイスキーを胸が熱くなる感覚を味わいながら、今日起こった朝の悲劇を思い出しながら飲んだ。

「マスター。駅の構内に気になる人がいるんです。」

「でも、今日新事実が分かったのですが、その店員さん左手の薬指に指輪をしているんですよね。」

「なるほど。でも結婚しているかどうかまだ分かりませんよ。」

「最近じゃ、結婚指輪を防波堤にして男性からのアプローチを防ぐ狙いでわざと結婚していないのにつけている人もいるくらいですから。」

「なるほど!それは思いもよらなかった。あの人べっぴんさんだからそういうことするかもしれない。」

「お客さんも男前ですし、今度直接聞いてみてはどうですか?」

「そうですね。」

「まだ諦めるのは早いですよ。」

僕はバーを後にし、沈んでいた気持ちが少し上向きになった。

その後帰宅し、シャワーを浴びて寝た。

その6へ続く。

  • 1
  • 0
  • 0

花の母としての気持ち

初めまして。花の母としての気持ちと申します。 好きな人物を模写、デザイン、詞、小説を書くのが好きで麻雀も好きです。 普段手が空いている最中にやっていることではまっている事はリズムを心の中で刻んだり、即興で簡単な歌を作って 鼻歌を歌ったりする事。 苦手な事は、面倒くさい作業をすること。これは今克服しようと努力している最中です。 どうぞよろしくお願いします。

作者のページを見る

寄付について

「novalue」は、‟一人ひとりが自分らしく働ける社会”の実現を目指す、
就労継続支援B型事業所manabyCREATORSが運営するWebメディアです。

当メディアの運営は、活動に賛同してくださる寄付者様の協賛によって成り立っており、
広告記事の掲載先をお探しの企業様や寄付者様を随時、募集しております。

寄付についてのご案内