ふゆき君が僕の家に居候するので、僕はふゆき君にここでの生活の仕方を話した。
「布団はボロボロだから買い変えた方がいいよ。それとふゆき君の食べるものは自分で調達してきて。僕は妖怪だからお腹が空かないんだ。だから僕の分は用意しなくていいから。」
「それから演奏をたしなみたいからハーモニカも欲しいな。あっ、後はあおいの服も見に行きたいな!それと・・・」
ふゆき君は話を聞かずに、自分が考えている理想の生活を呟いていた。そして僕はイライラして「人の話を最後まで聞け!!」と声を荒げてしまった。
「おいおい、そんなに怒んないでちょうだいよ。一人で寂しく住むよりはマシだと思うぜ!」
「勝手に人の家に居候する君が言うな!ここで暮らしたいなら真面目に話を聞け!」
「・・・・・・お前。」
・・・うっ!!やってしまった・・・。声を荒げた上に暴言を吐いてしまった・・・。ふゆき君にきつく当たってしまったことについて謝らないと・・・。
「・・・お前、・・・余程寂しく生きていたんだな・・・。友達もいない人生で悲しかっただろう・・・。でも大丈夫!せめて俺があおいと一緒にいてやるぜ・・・ズズッ!」
前言撤回!勘違いが凄まじい。そんな奴が本当に上手く生活できるのか?
「・・・あのね。僕は君のような年端もいかない少年がここで生活できるのか心配なの・・・。どうして君が家に帰らないのかはわからないけど、ここでの約束事を守れないなら僕と共同生活なんてやめたほうがいいよ・・・。」
「あおいだって年端もいかない少年のような姿じゃん。」
「僕はこれでも千年ぐらいは妖怪として生きているんだけど・・・。」
流石にふゆき君の自由奔放な性格にはぐったり疲れてしまった。・・・本当にここで生活する気あるのか・・・?
できることならふゆき君の親を呼んで連れて帰ってもらいたい・・・。
そんなこんなで説明を一通り終えて部屋の掃除を一緒に済ませた。片手だけとはいえ掃除は上手にこなしている。その後に料理もこなした。そして、一日が過ぎた。布団を買う金がなかったのか、ふゆき君はやむなく古い布団を使っていた。
そんな早朝の時間帯でふゆき君を起こそうとしたら、うなされている様子だった。
ふゆき君の呼吸は浅く、苦しんでいた。