「ふゆき君、今日のご飯は・・・。」
ふゆき君を呼んだ先には誰もいなかった。そうだ・・・。僕が追い出したんだ。
思い出として残っていたこの家の状況はふゆき君が来る前のように戻っていた。時折思うのは、僕が追い出さなければ幸せな毎日を二人で過ごしていたかもしれない。でも・・・、同時に病気に罹っている人を看病しながら過ごす事には自信がなかった。
「・・・これでいいんだ。」
無理矢理にでも納得するしかなかった。
美味しいご飯、疲れ果てて眠る時間、そして誰かと喋る時間。そんな毎日が十分幸せだった。
でも、もういいんだ・・・。彼を看取りたくないから。それでいいんだ・・・。
そんな過ぎていく毎日を送っていたら誰かが来た・・・。
この姿に見覚えがあった・・・・・・。痩せこけてはいるが、ふゆき君の姿が見えた。
「あった・・・ここに・・・・・・あった・・・。」
「そんな・・・・・・どうして!?」
ふゆき君との思い出の記憶は僕が消した筈だ!!それなのにどうして!?
ふゆき君は力尽きるように倒れていった。僕は急いでふゆき君の元へかけていった。