座敷童と輪廻と追憶 8章 もし生まれ変わったら

 ふゆき君は病状が悪化しながらもまた僕の元へ来た。

 妖力で二人一緒に暮らしてた時の記憶を消したのに・・・。

 僕は倒れ込んだふゆき君を抱きかかえた。

「やっと・・・・・・また会えた。・・・酷いじゃないかあおい。思い出まで消してさ・・・・・・。」

 ふゆき君は今にも息を引き取りそうな様子だった。

「どうして僕の所へ戻ってきた!?まだ生きる方法があったはずなのに君は!!」

「やっぱり・・・一番の・・・友達に会いたかったから・・・。記憶を消された時、昔読んだ本を見て・・・思い出したから・・・。」

「そんなことはいい!!また僕が送り出して・・・っ!」

 ふゆき君はそれを拒むように手を握りしめた。

「やめてくれ・・・・・・病院で静かに眠るのは嫌なんだ・・・・・・。せめて・・・あおいの元で・・・眠りたいんだ。」

「簡単に眠るとか言うなよ!生きていれば何とかなるよ!僕は何人も、何十人も、何百人も僕の元で看取るのが嫌だったのに君は・・・!!」

「その友達・・・何百人もあおいの下で眠ったのは・・・・・・本当にあおいの事が・・・好きなんだと・・・愛していたと・・・思うよ・・・。もう少し・・・・・・友達を大切に・・・しなよ。」

「そんなことはどうでもいい!!生きている方が勝つんだ!!だから君も生きてよ!!」

「・・・ありが・・・とう・・・。そう・・・言ってくれるあおいは・・・優しいな・・・。もし・・・生まれ・・・変わったら・・・・・・、あおいの・・・元へ・・・また・・・きた・・・・・・い・・・な・・・・・・。」

 ふゆき君がそう言うともう目を見開きながら動かなくなった。

「馬鹿・・・!息をしてよ・・・!冗談はやめてよ!!もう一度動いて!!お願い!僕の元で終わらないでえええええ!!」

 僕は屋敷の庭中に声が響くぐらい号泣した・・・。

 その後、彼の体を僕の妖力で自宅に送った。

 ふゆき君を自分の家に留まらせたのは間違っていた。

 どうして追い出さなかったんだろう。どうして心臓を抑えてた辺りから帰らせなかったんだろう。

 また一人、友達の命を救う事ができなかった・・・。

 そして時は更に進んだ・・・・・・。

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イッチー

 アニメやマンガに、ゲームに小説を読むのが好きです。色々なイラストを描くのと少しビターな小説を描くのが得意です。イラストは小さい頃から描いてて凄く好きです。小説は登場人物が思い通りにならない話を書いたりするのが好きです。

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