ふゆき君は病状が悪化しながらもまた僕の元へ来た。
妖力で二人一緒に暮らしてた時の記憶を消したのに・・・。
僕は倒れ込んだふゆき君を抱きかかえた。
「やっと・・・・・・また会えた。・・・酷いじゃないかあおい。思い出まで消してさ・・・・・・。」
ふゆき君は今にも息を引き取りそうな様子だった。
「どうして僕の所へ戻ってきた!?まだ生きる方法があったはずなのに君は!!」
「やっぱり・・・一番の・・・友達に会いたかったから・・・。記憶を消された時、昔読んだ本を見て・・・思い出したから・・・。」
「そんなことはいい!!また僕が送り出して・・・っ!」
ふゆき君はそれを拒むように手を握りしめた。
「やめてくれ・・・・・・病院で静かに眠るのは嫌なんだ・・・・・・。せめて・・・あおいの元で・・・眠りたいんだ。」
「簡単に眠るとか言うなよ!生きていれば何とかなるよ!僕は何人も、何十人も、何百人も僕の元で看取るのが嫌だったのに君は・・・!!」
「その友達・・・何百人もあおいの下で眠ったのは・・・・・・本当にあおいの事が・・・好きなんだと・・・愛していたと・・・思うよ・・・。もう少し・・・・・・友達を大切に・・・しなよ。」
「そんなことはどうでもいい!!生きている方が勝つんだ!!だから君も生きてよ!!」
「・・・ありが・・・とう・・・。そう・・・言ってくれるあおいは・・・優しいな・・・。もし・・・生まれ・・・変わったら・・・・・・、あおいの・・・元へ・・・また・・・きた・・・・・・い・・・な・・・・・・。」
ふゆき君がそう言うともう目を見開きながら動かなくなった。
「馬鹿・・・!息をしてよ・・・!冗談はやめてよ!!もう一度動いて!!お願い!僕の元で終わらないでえええええ!!」
僕は屋敷の庭中に声が響くぐらい号泣した・・・。
その後、彼の体を僕の妖力で自宅に送った。
ふゆき君を自分の家に留まらせたのは間違っていた。
どうして追い出さなかったんだろう。どうして心臓を抑えてた辺りから帰らせなかったんだろう。
また一人、友達の命を救う事ができなかった・・・。
そして時は更に進んだ・・・・・・。