今さらになって気がついたが僕がずっと感じていた強い気配。
本棚の中身を探している間に、なんだか心臓がしめつけられるような感覚におちいっていた。
閉じ込められたこと事態が僕にとって必然だったのだろうか。
やられたと後悔はしたが、それとは別にこの【旧校舎】自体が僕を呼んでいる気がした。
(だとしても今は脱出が先だ。今さら逃げるつもりなんてないね)
すると、真ん中にキラリと光る物をみつける。
「まりあ、万里先輩! 何か見つけたよ」
「本当ですか!?」
「見せてくれ!」
別々に探していた二人が僕のところに駆け寄る。
これを見て二人は疑問に思った。
「小さな鍵ですね。いったい、どこの物なのでしょうか」
「ドアやロック式錠にかけるやつでもないようだな。何かわかるか」
「うーん……これは僕の考えだけど、他で何かを開ける物があるんじゃないかな?」
しかし、まりあと万里が探していたところにそれらしきものは見当たらない。
本がなければ椅子の下に……と思っても何もない。
僕はこの鍵をよく調べるとあることに気がついた。
「ねえ、カウンターって調べた?僕の勘がそう告げているんだけど」
「ああ……確かにそうだな。よし、まりあ。調べてくれ」
「わ、わかりました」
まりあがカウンターに移動して辺りを探す。
すると十秒もしないうちに声をあげた。
「ありました! 多分この箱かと」
「お前すげえな、エスパーか何かか?」
「……ただの勘だよ」
まりあは小さな箱を持ってくると僕らに見えるようにテーブルにおく。
見た感じアンティーク調のオルゴールのようなデザインだ。
茶色で金伯の模様がしるされている。
「お? 真ん中に何かあるみたいだ」
「これって……まさか」
「さっき見つけた鍵をかけるのにピッタリだ! 僕が開けてみるよ」
カチャ。
中に入っていたのは一枚のメモ用紙だった。
僕らはそれを読んでみる。
「なになに……【次の中から仲間外れを探せ】だって」
「【十字架、花、フラスコ、鏡】の絵の下に五十音表のボタンがありますね」
「もしかするとその下の文字が答えになるかもな」
とはいったもののこの絵の中で仲間外れを探すと言われても肝心の答えが思いつかない。
組み合わせがあることだけは、考えられるが。
すると万里が何かひらめく。