光がない…… あの日からずっと
暗く狭い場所にママは閉じ込められて
花が沢山添えられた。
「紬ちゃん…早すぎるよ…」
「七五三の時に居なくなるなんて…」
「つらかったね…苦しかったね…楽になって」
パパがママと呼ばれる人に花を添える時
私を連れて泣いていた。
「あとは全部俺に任せて……いいから…
紬……こんなかたちでお別れなんて………
エマはお前のこと…忘れてしまったよ…」
私も小さい花を何個か添えた。
ママの身体にそっと触ったら自然と涙が出てきて
「冷たい……」
気づいたら私はそう言っていた。
その言葉を聞いた周りの人は静かに泣いている
身体に触れた途端…なにかが私の頭の中を駆け巡り
「…っ……うう…」
「エマ⁈」
「どうしたの?」
「頭が……痛い……」
私は頭を押さえつけ苦しみもがき悲鳴をあげた
脳内には、ママとの思い出が蘇ってくる。
「エマが大きくなったらね」
「いつか、大切な人ができたら
ママにも紹介してね。」
「成人式はみたいな~」
「私はあなたを生んでママになれて幸せよ。パパと頑張ってね」
数々の思い出たちは
しっかりと存在している。
7年間の記憶にいっぱい
ママは存在してる
「エマ、泣いてる…のか?」
「パパ、私思い出したよ
ママのこと」
「ほんとか?良かった、良かった」
それからは、パパが
周りの人に説明して
火葬の時間を遅らせた。
ママとの記憶を思い出した
私は泣きながら話す
「どうしてあのとき、私を庇ったの?」
3日分の喪失
失ったママ
3日前のことを思い出し
ながら私は語る。
「生んでくれてありがとう」
その言葉を最期に
パパと代わる。
周りの人も言いたいことを
言って色紙や花を飾って
火葬が始まった。
#4 さよなら
つづく