それは九龍とランスロットに出会う前。
ちょっと休憩してまたこの家を調べようとしたときだった。
「そういえば、あの時どうしてこの家は心霊スポットになったのかな」
指先でスクロールして、あるサイトの記事を読む。
【・名無しさん 女子高生行方不明事件 夏頃、近隣の女子中高生たちが行方不明。犯人はこの家の持ち主である×××として彼女らを監禁させた疑いあり。 しかしその後、多くの遺体が発見される(一部抜粋)】
と記されていた。
「思い出した。犯人……彼女たちを監禁……? 嘘だよね、先生!?」
あたしが泣き叫ぶと、令菜先生は強く首を振る。
『私はそんなこと知らないっ! あの箱に入っていた彼らが全てを壊したのよ!』
あたしは、我慢できなくなり令菜先生に問い詰める。
「ねえ、先生……応えてよ!」
『これ以上……話してもあなたがもっと辛くなるだけよ……』
確かに今は日記とあの記事での情報を知っただけで、他に手がかりなんてない。
(だったら……なんとしてでも、令菜先生から聞かないと)
あたしは強く交渉する。
「お願いします! いったいここで何があったのかあたしは知りたいんです」
令菜先生はあたしに近づき大きな沈黙の後、口をひらいた。
「やっぱり、ダメですよね……」
『……わかったわ。蘭ちゃん、少しショッキングな話になるけれどそれでもいい?』
もちろん覚悟はできている。
令菜先生のためならどんな事でも信じる。