学院怪談忌 呪われた箱 ACT7 駆け引き Tactics  

「さあ、ここから先はあたしが相手よ! 令菜先生と彼女たちを悲しませた罪……絶対に償ってもらうんだから」

そうか、だったらもう容赦はしないぜ!

今度は絶対に逃がさんぞ! 覚悟するがいい

もうこれ以上、犠牲は増やさない。

強くそう決めたから。          

あたしは、ほうきを両手に抱えながら二人に向かって突撃した。

「このっ……あるべき場所へと帰りなさいっ!」

九龍はあたしの背後から鋭い爪を突き刺す。

「ひっ……!」

壁にぶつかり悲鳴をあげる。

鋭い爪が壁に刺さっていた。

もし、あと一歩でも動いていたら……。

考えただけで冷や汗が止まらない。

すると、ランスロットがマントを翻し黒い蝙蝠たちを呼び出す。

「やめてっ!」

おいおい、どうした? その程度か

まったく残念だ、その元気な身体がいつまで持つかな?

息が切れるまであたしは二人の攻撃をよけ続ける。

疲れてきた、このままでは何も解決できない。

(考えて……あたしはこんな争いなんて望んでない……きっと何か方法が)

目線が令菜先生に向いた瞬間。

「しまった……⁉」

足を踏み外し転びそうになる。

すると突然、身体がふわっと宙に浮く。

「なに? これっ……」

二人がしめたと悪い顔をしながら指をパチンと鳴らす。

やっと運が俺に味方してくれたな、くらえ!

大丈夫。すぐに楽になるから

ドスのきいた低い声が聴こえてくる。

あたしはいつの間にか赤い鎖に繋がれていた

「いやあああああああ……」

身体が動かない、痛みが全身から伝わってくる。

二人の不気味な笑い声がこの部屋に響き渡った。

無様な姿のあたしを見た令菜先生は叫んでいた。

蘭ちゃん! もう……やめて。充分よ……

「イヤだ……」

あたしの目から涙が止まらない。

あきらめるわけにはいかないって誓った。

こんなところで、簡単にくたばるなんてあたしのプライドが許さない。

ゆっくりと深呼吸をする。

「令菜先生……あたし。やっとわかったよ」

え?

すると、心の中で考えていたある作戦が浮かんできた。

(これは駆け引きだ、慎重にいかなきゃ)

あたしは二人を見て叫ぶ。

「ねえ…! 九龍、ランスロット。もうこんなことやめよう

なんだと?

二人が声を揃えてあたしを睨みつける。

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幽刻ネオン

はじめまして、趣味は読書(ミステリー、ホラー、怪奇小説)とゲーム(リズム、ノベル)です。最近までネットで小説をかいていました。自閉症、トランスジェンダー持ちではありますが、無理なく仕事ができるように訓練しています。スピリチュアル(占いなど)が好き。 アニメ(ラブライブ)やゲーム実況(にじさんじ)にはまってます。 紡ぎ手として様々なことに挑戦していきたいです。

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