学院怪談忌 呪われた箱 ACT7-2 勇気    Courage

この作戦はリスクが高いけれど、令菜先生を助けるためなら。

あたしの身体は、どうなっても構わない。

決めたわ! その二つの箱。……いや二つの棺をもらうだから先生をかえして

何を言っているの⁉ そんなことしたら蘭ちゃんが呪われるのよ

あののせいでこの家やみんながおかしくなっている

でも、今は怖くない。

あたしが行動しなきゃいつまでも呪いなんか解けない。

「幸せにならなきゃいけないのは、先生の方だよ。……あたしはあなたに会えただけで十分」

 『蘭ちゃん、あなたは幸せになりなさい。誰かを助けられる人になって。約束よ?』

あの時、令菜先生があたしを楽にしてくれた言葉。

あの言葉があったからこそ、今のあたしがいる。

それは今でも忘れない。

「あたしは決めたんだ、もう逃げないって! だから令菜先生、笑って?」

  バキッ!

あたしが持っていたほうきが青白く光りだし粉々に砕けていく。

「わあっ!?」

てめえ……ふざけやがって!

これでは、目的が達成できない……⁉

二人は叫び声をあげ、それと同時に先生とあたしを縛っていた赤い鎖が解けた。

なんだか身体が軽くなった気がする。

蘭ちゃん……

あたしは、先生をぎゅっと抱きしめる。

「……令菜先生! 今までありがとうございました。あたしは約束通り誰かを助けられる人間になることをここに、誓います」

この呪われた棺はあたしが管理する

二人が暴走しないように

……立派に成長したみたいね

もういかなきゃ。蘭ちゃん、私を助けてくれてありがとう

先生が目の前に近づいてあたしの頬にキスをする。

「っ…! あとはあたしに任せてください……」

優しくほほ笑みかけると、令菜先生は女子生徒たちの霊と共に、天へと昇っていった。

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幽刻ネオン

はじめまして、趣味は読書(ミステリー、ホラー、怪奇小説)とゲーム(リズム、ノベル)です。最近までネットで小説をかいていました。自閉症、トランスジェンダー持ちではありますが、無理なく仕事ができるように訓練しています。スピリチュアル(占いなど)が好き。 アニメ(ラブライブ)やゲーム実況(にじさんじ)にはまってます。 紡ぎ手として様々なことに挑戦していきたいです。

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