碧い栞と王子様#9

余が誰かわかるか?本城詩織…

わからない………君は誰なの?

頁次のやつ…余が人間界へ行く事を伝えそびれておるか…

頁次?いま、頁次って言った?詳しく聞きたいから上がって!

青い髪に青い瞳の少年を見たことがなかった詩織は呆然としていた。
少年の口から、間違いなく“頁次”という単語が出て驚き
玄関から自分の部屋に上がれと忙しなく少年の手を引いた。

鍵掛けたからお母さんは入って来れない………はず

変な話はしないつもりだが詩織の言い分も
わからなくもない。巻き込みたくないのだろう?母親を…………

それもあるけど、本界の話は頁次以外にした事がないから
信じてもらえるかもわからないし…怖い

お主も色々考えておるようじゃな。さて、本題だが余は須藤という

須藤?変わった名前ね!

余の名前についてはこれくらいでよい。余はあっち(精霊界)では
大精霊と呼ばれている!頁次から聞いた話では、詩織…
お主大事なブルーカードを失くしたと。今後そのようなことに
ならぬよう余がお主をこっち(人間界)で監視、詩織に命の危険が
迫れば余が守ってやる

詩織は頭が追いつかなかった…
突如現れた男の子は、実は大精霊で頁次達の世界では権力者
だという。自分の不手際が精霊界に伝わっており
リボンを失くさないよう人間界で自分のことを監視しつつ
守ってくれるという…。
詩織は、須藤という大精霊を信じていいか迷っていた

➖➖➖精霊界では➖➖➖

須藤様どこにいるのかしら?

何に擬態してるかわからない…

あの方は、大精霊だから人間以外のものにもなれるし

とりあえず人間で絞って巨大なチカラがあった公園を
サーチしましょう!

➖➖➖➖➖

ストーリー(須藤)は、これからどうするの?

お主を監視するならこの家に住まうほうが効率が良いと思ったが
母親が不思議がるだろう…。余は、しばらく拠点を見つけつつ
こっちでも部下をつくろうと思う。余のことは心配するな
何かあれば公園かお主のお気に入りの本屋にでもおる…
頁次のことだが、どう聞いてもお主に非があるからのぅ…
一度本界に行って謝るといい

わかった…

ではな…

業務連絡が済むと須藤は、本城家をあとにした。
詩織は須藤のことが全然わからないまま
頁次には、謝ったほうがいいと自分でも思い
本界へ行った。

今日は、いないのかな?

本界にジャンプすると、頁次の姿はなく
他の精霊もいなかった…。
ありとあらゆるところを探しているが
頁次は見つからず本界に居た数分は現実世界に戻ると
数時間経過していた。

さて、まずは子分を作らなくてはな…

コンビニの前で屯っている不良組
路地裏でチカラなき者を攻撃している高校生
見ず知らずの人に肩が当たっただけでキレるイキリ野郎
とにかく須藤は、無害な人に攻撃したり傷つけたりする者を
対象に勝負を挑み精霊のチカラで木っ端微塵にし自分の子分にした。

ボス、次あいつどうっすか?

よいな。あやつにしよう

ラノベの主人公並のチート級に強いしな。向かうところ敵なしっしょ

ボス、パパーっとやっちゃってくださいよー

子分には一瞬で慕われ、いつのまにか定着しつつある
“ボス呼び” 須藤自身は気にしていないものの
周りからは、不良の“リーダー的存在”として“ボス”という
総称と須藤の顔だけが1人歩きしていく
須藤が良い事をしても不良以外からは逃げられるようになった。

お疲れ様でした!ボス!

またよろしくっすー

夕方になると不良は、ぞろぞろと自分の家やバイトに戻り
須藤は寝泊まりができるネカフェにやってきた。
詩織が好むラノベを手にとって読んでいると
その姿を見た女性に声をかけられる。

ねぇ、あなた…そのラノベ好きなの?

ああ。しお…知り合いが読んでいてな…

続きが気になるなら私の家に来ない?全巻持ってるから!

そうか…なら、お主の家へ行こう

この女子、どこかで見た覚えがあるな…
見たところ怪しくはない。ついていってもいいだろう。
一人暮らしの女子が住むには丁度いいスペースだな。
肝心のラノベとやらは…………

ちょーっと、待ってね!いまお茶出すから

その女子は、ラノベの続巻と一緒にお茶を出してくれた。
それにしてもビッシリと詰まってる本棚…沢山あるラノベ…………
もしかしたら詩織と関係があるかもしれん。
聞き込み調査を行なってみるか。

つづく

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水樹

最初に絵を描き始めたのは小学生の頃でした。 それから、自分の世界観を文字におこしたり、絵にするのが趣味になっています!!

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