本界ってなに?
確かに亘理の口から私の知ってる世界での言葉が聞こえた。
なんで?その言葉を知ってるの?
私、教えたことあったっけ?
頭の中がグルグルする…………
私は答えようとして頭を抑えつける
ねぇ、良かったらうちに来ない?
答えに悩んでいると亘理は家に来ないかと提案した。
確かにココで長話をするのは得策ではない
家であれば、お互い聞きたい事を聞けるし遠慮する必要もない
いいよ、私も話しておきたいことがあるから
私は亘理の家に上がり込んだ。
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精霊界では、伽羅の長期滞在は許されることはなく
最悪でも須藤が人間界から消える3日前には精霊界に戻らないと
精霊である権利を剥奪される危機に迫っていた。
ひっどぉーい、わたしぃが何したっていうのよ!
あなた達上位精霊は人間界にいればいるほど人間界を歪む危険がある
人間に危害を加えなければいいじゃない
ダメよ。かつてあなたと同じ事を言っていた精霊は、人間のために
何ができるか何をしたら喜ぶのか動いていたら
自分が関わった人間達の間でトラブルが起きて1人の親友を失った。
あたしぃは、その子とは違うもん!
そうかもしれないけど、人間に擬態できるのは
大きなチカラを持つ精霊だけなの。後悔するわよ?
頁次の言葉に重みを感じた伽羅は不満そうな顔を見せるが
自分宛に印刷された分厚い書類に目を通して
”じっくり考える“と小声で言った。
あの子にもいずれ、わかる時がくる…
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そして、人間界では
詩織と亘理が深刻な話をしていた。
え、まさか…………亘理が言ってた子供って…
そうよ。須藤くん…
長くなるけど聞いてもらいたい…
私は、本の世界にジャンプすることができるの
つづく