碧い栞と王子様#15

私は頁次… 精霊界では、須藤様の右腕と呼ばれる。
伽羅に話した人間のために動いた精霊というのは私のことだ
いまの伽羅みたいに、その昔別件で人間界へ来ていた。

お前のチカラは危険だ………長く人間界へ留まれば
崩壊する可能性がある。2週間だ
2週間の間に、熟された任務を全うしろ…

伽羅に自分が課した2週間という期日は自分も条件付きで出されていた。
上位精霊は、他の精霊と違い人間や他の動物へ擬態できる
擬態だけではなく言葉も話せて動ける
つまり…本当に人間のような振る舞いができるのだ。
そのため人間同士でのトラブルに巻き込まれ
私は友達を………………

失った。

いまの精霊界になる前…はるか昔
私は中堅精霊だった。精霊としての能力は低く期待されなかったが
意外なところで自分のチカラが役に立つと言われた。
それが”人間界“ 
憧れていた人間界へ行けること、人間のために自分が何かできる
それだけで嬉しかった。私の目標は精霊と人間が共存した世界に
することだ。自分の目標に、一歩近づくことができたと思った。
そう…あの日までは…………。

あなたが、ぺったん?

はい!今日からお世話になります!

私は人間界で大学生のフリをして
よく身近で事故や怪我人が出やすいと言われていた
あるサークルに入部した。
そのサークルは、野外活動部
登山や遭難した時の対処方法などを皆で意見を出し
それを元に研究する。
危険度は高かったが私のチカラで人間を救うことが
できるなら容易い事だと思った。

明日から2日間… 研究結果の報告とムービーを撮ってもらう

入部したての頃に事件は起こった。
2日間…私達は合宿をした
それなりに人数は居たので2チームに分かれ
部室で留守番をしながら連絡が来るのを待つのと
登山の撮影シーンを録画するチームにわかれた。
私は、撮影チームだった。

ぺったん、華奢だよねー

そうかな?

大学生にしては小柄な女性に擬態してたので
スタイルに関しては毎回話題に出された。
そして私がみんなと馴染んでいるのを好まなかった
女性が私に対して陰湿な嫌がらせをしてきた。
それでもいつも通り躱していたらいじめっ子がつるし上げられ
私に対しての嫌がらせ行為を暴かれたのだ。

ぺったんをいじめてたのはお前だったんだな

だと思ったのよねー

えー、みなさん!これから、ぺったんをいじめてた犯人を暴露していこうと
思いまーーす!!

その様子は、カメラに収められた。
私は途中で止めようとしたが言い出したら止まらない
部長の行いはエスカレートしていき
”みんな鬼ごっこ“という悪質な遊びが始まった。
ルールは、私をいじめてた犯人が逃走し制限時間内に
15人から見つかったら負け…
15人の鬼から逃げなきゃいけない恐怖を彼女は味わう
見つかったら罰ゲームもあった。

簡単だろ?見つかんなければいいんだよ

ゲームスタートだ

私は副部長とカメラのフィルムを買い出しに行きながら
早く“みんな鬼ごっこ”を終わらせて
みんなで合宿を楽しもう!そう行き込んでた。
少しでも、みんなが楽しい思いをしながら
楽しい思い出作りをしたい…ついでに謎も解き明かすつもりもあった。
でも、自体は思いもよらぬ方向に変わっていったのだ………
15人〜13人に人数が変更されても小さな物音ですぐ見つかり
彼女はゲームに敗北た。そして課せられた罰ゲームは、
高いところから飛び降りる…そういった流れだった。
この時点で私は、なぜこのサークルから怪我を負う人が
事故が多いのか…わかってた。
全て部長の企み通りに動き逆らう人は最悪死に至る。
彼女は罰ゲームのあと、サークルを辞めて
学校から消えてしまったが
いつも私と一緒に行動していた女の子が教室で自害したのだ。
そういったことがあり、当初は人間を助けたいという
目論見があった私だが目の前で親友を失い
助けることはできなく…何もできないまま2週間という
期日はあっという間に過ぎていった。
同じ思いを伽羅にしてほしくない!

つづく

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水樹

最初に絵を描き始めたのは小学生の頃でした。 それから、自分の世界観を文字におこしたり、絵にするのが趣味になっています!!

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