しおりんも須藤君も居なくなってしまった………
結局、私は最後まで2人のために何もしてあげることはできず
ただ…見守ることしかできなかった………。
もう、須藤君とは会えないと思うけど彼と過ごせて楽しかった…
あれ………変だな、須藤君との思い出を振り返ると急に…涙が………私…自分で思っているよりも須藤君と過ごした日々が楽しかったんだ。
うっ…っ
これまでの日々を思い返して溢れるような涙を流した。
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良かったの?亘理に何も言わなくて
余からは充分に礼を伝えたつもりだが?それ以外何を言う必要がある?
………本当は分かってるんでしょ?
さぁ、どうだかな。詩織よ…人間と精霊の違いはわかるか?
なんだろう?見た目?それともチカラを使えること?
それらも間違いではないが正しくは“寿命”だ。
お主達人間はそう長くは生きられないが
余達は永遠に命が尽きることはない。
あまり深い関係を持ってしまえば苦労するのは人間のほうだ
歳を重ねる度に記憶から消えてしまえば仕方のないことだが
記憶力が良ければ歳をとっても忘れることはないだろう…
亘理は、どちらなのか余にはわからないが関わったことで
精霊に関するモノで精神的に苦しむ姿を想像したくない
できれば、精霊を見て精霊と関わったことで
後悔はせず楽しい思い出だけに染まってほしいんじゃよ
あぁ、この2人はきっと種族が同じであれば
同じ世界で楽しく過ごしていたんだろうな…
精霊と人間ってだけで、こんなに住む世界が違うんだもの…
でも………遠い世界に居ても2人は思いあっている。
なんて素晴らしいんだろう…
きっと…亘理もそう思ってるよ
精霊界に戻れば、彼奴にもらった
この小説というものを読んでみることにするさ
うん…感想は私から亘理に伝えておくから
詩織…余達は精霊界に戻る前に木時を探さなければいけない
そうだね、今回のは2人でないと本界を救えないもの
ああ…久しぶりにチカラを使うか…………
須藤は、精霊のチカラを使い両眼が同時に光る
その姿を詩織は初めて見たのでじっと見ていた。
すると…須藤がチカラを使いながら詩織に話しかける
木時の居場所がわかった
どこ?
場所は…………
詩織は須藤から場所を聞くと携帯を取り出し
木時に着信をかける。
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もしもし詩織?いまどこだ?
木時!今ね…いつもと同じ場所に須藤といるの!
すどーと?分かった、すぐ行く!
急いで!早く本界に行かないとこの世界が滅んじゃう…
分かってる!詩織、今日の服装は?
花柄のキャミソールだけど…
もしかして青い髪のやつがすどー?
そうよ!ってことは近くにいるのね!!
すぐ向かうから待ってろ
木時ーーーー
詩織、久しぶりだな!
元気そうでよかった!隣にいるのが人型に化けた須藤よ
へぇー、すごいもんだなぁ…
さ、本界へいきましょ♫
須藤・詩織・木時は合流をして
急いで本界へ向かおうとした瞬間
詩織の背中が赤く染まった………
え、なにこ………れ?
バタン、と大きな音を立ててその場で倒れる詩織
倒れた詩織を見て取り乱す木時と
冷静に状況を判断し、詩織の後ろをみる須藤
その先に居たのは木時と同じ髪の色をした女だった。
あなたが悪いのよ?
つづく