学院怪談忌  背後に潜む妖魔 ACT4 未知 Unknown 

さっきよりも場の空気が一気に下がる

スマホのライトで辺りを照らすが、緊張感が半端ない。

しっかし、やけに静かだな。こいつは、もしかして当たりじゃねえのか?

みたいね。あら? あそこに誰かいるわ

目の前に、白い着物を着た綺麗な女性が辺りをきょろきょろしている。

迷子にでもなったのだろうか。

すみません。どうしましたか?

おい! シア……気が早いぞ

シアに話しかけられた女性は気づいてこっちに向かってきた。

銀髪の長い髪がゆらゆらとたなびく。

あら。こんにちは

優雅にお辞儀する女性はまさに大和撫子そのものだ。

だが俺は、一つある違和感を抱えたまま話す

ここで何をしているんだ?

ふふっ、ここで迷子になったの。どうか助けてくださらない?

お一人でここに来られたのですか? かまいませんよ

まあ! なんて優しい方なの。ありがとう

こいつ随分と余裕な表情しているな、ますます怪しい。

すると女性がふわりと宙に浮いたのだ……。

おい、何者だ?お前

わたしは、白雪冷香シラユキ レイカ……雪女なの

雪女……初めて見たわ

(何に関心しているんだこいつは)

裸足で着物姿の時点で、すでにおかしいと思っていた。

その勘が当たり、俺は彼女の背後を守る。

シアに手をだすな!

待って。あなたたちを襲うつもりなんて全くないの

冷香が困った顔で俺らをじっと見つめる。

罠かもしれない。急いで逃げるぞ

狂哉君、落ち着いて。彼女から悪い気配がしないわ

幽霊は視てきたが妖あやかしを視るのは初めてだ

不安になってきてこいつの対処法も分からない。

ねえ……お願い

うっ……そんな顔するなよ。マジで何もしないのか?

冷香は大きく頷く。

心配になってきたのか俺はシアを見る。

狂哉君。私からもお願い。この人が悪さをするとは思えないわ

さすがの俺でもそこまで言われると頭痛がしてきた。

シアが嘘をつくとは思えない。

俺は大きなため息をついて覚悟を決めた。

……わかったよ。シアは優しすぎるぜ

ありがとう! 嬉しいわ

すると冷香は息をふーっと吹きかける。

冷気が氷の結晶へと変化したのだ

結晶を手に取り俺に渡す。

どういう風の吹き回しだ?

きっと冷香さんなりの気持ちよ。受け取ってあげたら?

シアの言うことはもっともだ。

俺は恐る恐るその結晶を受け取る……冷たいが解けたりはしないようだ。

あ、ありがたく受け取るぜ

わたしの力では、その氷は溶けないの。すごいでしょう?

冷香は嬉しそうに目を輝かせた。

それにしても好奇心が強い……女だ。

なぜ、俺らにそこまでして?

あなたたちの霊力にとても興味があるの! 普通の人間よりも力が強いわ

つまりそれだけ私と狂哉君の力が強力ってことね

よく分からないが、冷香が喜んでいるのならそれで良しとしよう。

彼女の視線が気になりすぎて落ち着かない。

シアはまだよくても冷香はニコニコしながらついてきている。

そして、俺が二人に声をかけようとしたとき。

おい、次はいったい……

いつの間にか彼女たちの姿が消えていた

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幽刻ネオン

はじめまして、趣味は読書(ミステリー、ホラー、怪奇小説)とゲーム(リズム、ノベル)です。最近までネットで小説をかいていました。自閉症、トランスジェンダー持ちではありますが、無理なく仕事ができるように訓練しています。スピリチュアル(占いなど)が好き。 アニメ(ラブライブ)やゲーム実況(にじさんじ)にはまってます。 紡ぎ手として様々なことに挑戦していきたいです。

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