恋愛地獄 花嫁候補と憑き者 前編 

※注意 この物語には一部百合要素、流血、ホラーな描写があります

Prologue 

秘密を知ったらどうなるだろうか。

代償が与えられ、リスクも増えるだろう。

背後霊、守護霊、浮遊霊などの憑き者は聞いたことがあるだろうか

今回はそれが鍵を握る

かくれんぼハイアンドシークがどこかで始まろうとしている

聖夜の奇跡は果たして彼らたちに訪れることができるのか。

これはクリスマスに起きた出来事

捕まったらおしまい

これはふたりの少女が体験した、ある意味恐怖の物語

Chapter1 奇跡を信じるふたり

十二月中旬、道端で歌っている人物がいた

楽しそうに歌っているのは、穏やかな少女

右側でコートに手を入れているのは、ガサツな青年

ジングルベル♬ジングルベル♬ 鈴がー鳴る♬

栞里、今日はそんなにウィンドウショッピングが楽しかったか?

うん!だって見ているだけでも楽しかったの。欲しいものはこれからですよね。月冴先生

三条院月冴サンジョウイン・ツカサ)、大学二年生

美弥栞里ミヤ・シオリ)、高校三年生

ロングヘアの方が栞里で、ツーブロックの方が月冴だ

月冴先生、わたしは思いました。まさか冬休みに剣道の先生に行くとかないですよね

行かねえよ。私は、冬休みぐらいにお前とつきあうことに決めた。バイト代も溜まったし

……⁉ うれしい

月冴は運動神経抜群で子どもとも相手できる

栞里はザ・現代っ子で青春を楽しみ、友人と楽しくSNSをしている

幼馴染でもあり、意見もあって【ふたり】は互いを信じあっているのだ

あの、クリスマスプレゼントは何がいいでしょうか

欲しい物か?そうだな……

大学生とはいえ、少しでもクリスマス感を味わいたいのだ

もう少し歩くとクリスマスツリーが見えてくる

あれにお願いしてみましょう

願いが叶うツリーだと?くだらん

いいじゃないですか!

はぁ……仕方ねぇ

月冴と栞里は手をぎゅっと握りしめる

お互いに目をつぶり何が欲しいかと唱える

聖夜の奇跡を信じて

(これからも、ずっと付き合いたい)

雪がちらちらと降る

この願いがまさか、あんなことになるなんて思いもよらなかった

ACT1 はじまりは突然に

人気のない道端を歩く月冴と栞里

どうせ家に帰ってもすることはなく、いつも通り

二人暮らしをしているため、分担して家事をおこなっている

実家に帰ってもよかったが軍資金に余裕がないため諦めた

だから学校が始まるまでヒマなのだ

なんか楽しいことないかなぁ

また新作のゲーム攻略だ。それしかないだろ

えー

他愛のない話で盛り上がる中、歩いている途中

月冴のスマホから着信音が鳴る

誰からだ?悪い、ちょっと待ってろ

うん

めずらしく、月冴がこわばった表情で電話をしている

ぶっきらぼうで無愛想で口が悪いけど

栞里にとっては、大切な友人

(なにかあったのかな)

月冴が舌打ちをして通話をきる

栞里は恐る恐る聞いてみることにした

どうしたの?

いや……親戚から別荘に来いって言われていたのを忘れていた

別荘?

ああ。去年、叔父が亡くなった。遺産調べかよ。まったく……

栞里はきょとんとしているが、月冴はイライラしたままだ

叔父のことは知っていたが遺産関係になってくると

「ねえ、その別荘は誰のものになるの?」

私だ空き巣が入って来ねえようにそこで過ごせって言われた」

叔父様、かわいそう……

ということは、いったん同居はおわりになる

さびしいけれど

栞里?

あの、わたしも行ってもいいですか?

まぁ……友人を連れて来るなとは言われてないからな……

やったあ!

月冴は栞里のさびしがり屋があまりにも酷いのは知っている

同居を許したのも、栞里の家系があまりにも特殊すぎるからだ

孤児だった栞里を、月冴が守っていたから。

だがそうなると、まずは別荘の片づけをしなくてはいけない

とりあえず今日は一度家に帰宅してから、別荘に行く計画をたてよう

まずは帰るか

そうですねー

まだこの時はよかった。

強い視線を感じるまでは

ACT2 別荘の秘密

クリスマスイブ当日

大雪の中、食材と飲み物を調達したふたり

買い出しをしてよかったと安堵する

キャリーケースはもちろん私物だ

ここが叔父様の別荘?

「そうだ。絵にかいたようなザ・洋館って感じだろ」

な、なんか出そう……

それもそのはず

ここは月冴の叔父が金持ちだったということもあり昔はよくここで遊んでいた

ちなみに、栞里が月冴を先生と呼ぶ理由は二歳年上の特権だからだ。

月冴は子どもと遊ぶのが好きなタイプだ

オーラがあるのだろう

あの、本当に入るのですか?

「入るしかないだろ、ふたりっきりになれるんじゃねえの?」

そっか!うん!

誰の邪魔も入らないし、デート気分

栞里は思った

(友達も大事だけど、月冴先生だけは特別なの)

失った哀しみを月冴で癒す

それは月冴自身もわかっていた

おい!寒いからとっとと入るぞ

う、うん!先生!

ドアをノックして中へと入るふたり

その先は暗闇がまっていた

お邪魔するぜ

冬休み期間、お世話になりまーす!

ふたりは洋館の中を見渡す

シャンデリア、蝋燭、暖炉、大きなソファーなど

まるで物語の主人公になった気分でいた

ここが別荘……なんてロマンティックなんでしょう

叔父の遺産が馬鹿ほど残っているからな。好きに使っていいらしい

「でも、なんだかさびしいですね。月冴先生」

さびしい】という発言に疑問を抱く月冴

首をかしげ、あたりを見渡す

ここにいるのは、月冴と栞里のふたりだけ

当たり前だろう、と言いかけたが

「そういえばここは、叔父かいなくなってから不思議な現象が起こるらしい」

え?誰から聞いたんですか。それ

月冴は真面目な顔つきになって言った

荷物を片づけながら話そう。あれは電話で親戚から聞いた話だ……

栞里はごくりとつばを飲み込みながらうなずいた

続く

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幽刻ネオン

はじめまして、趣味は読書(ミステリー、ホラー、怪奇小説)とゲーム(リズム、ノベル)です。最近までネットで小説をかいていました。自閉症、トランスジェンダー持ちではありますが、無理なく仕事ができるように訓練しています。スピリチュアル(占いなど)が好き。 アニメ(ラブライブ)やゲーム実況(にじさんじ)にはまってます。 紡ぎ手として様々なことに挑戦していきたいです。

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