#2 カンタ君逃亡劇

前回の話

#2「幼馴染ゲーム」

じぃさんや…カンタにわしらのこと、そろそろ言ってみてはどうかのう?

ばぁさんや、まだ早い…カンタが自分で自分の意志でわしらのことを聞くまでは何も言うまい。それもまた新たな導きじゃよ。

カンタと繋がりのある老人たちがテレビを見ながら話しこんでいた。

そういえばさぁ、カンタ君どうなったんだろう?

さーあ、でもカワイソウだよねぇ…謎の人物に懸賞金かけられるなんて。

そうよねぇ、彼だれからも恨みかうような子じゃないと思うけどね。

どーかな?人は見かけによらないっていうじゃん?

JK達がSNSを開きタイムライン上の#カンタ君逃亡劇を見て、幹汰のことを話していた。その後ろにフードを被って顔を隠した少年が呟く。

この世界は狂っている。


キャー幹汰くんこっちみてー!!

こっち来てくれたら美味しいものご馳走してあげるよ!!

懸賞金目当てに幹汰に近づく女子たち。女子たちから必死に逃げる幹汰。
人がいない路地裏に隠れ一安心つく。

まいたか…っ…はぁはぁ。

なんだこれ、人生最大のモテ期?お金欲しさに近づいてくる人なんて信用できないし、お金のために好きになってもらったて嬉しくねぇよ…

カンちゃん?

誰?

そこには女の子が1人立っていた。

私だよ…カンちゃん…ほら、覚えてない?幼馴染の。

幼馴染?

俺に幼馴染なんていたっけ?あ、だめだ思い出そうとすると過呼吸が…

その持病…相変わらずだね。無理に思い出さなくていいよ…私、カンちゃんのことで知らないことなんてないから。

もの優し気な声なのに不気味な笑顔をする彼女に恐怖を憶えた。
こんな幼馴染は、自分にはいないと後退りをしながら幹汰は言う。

お前だれだよ…俺に幼馴染なんていない、いたとしてもお前みたいな怖い幼馴染はいない…お前もどうせ金目当てだろ?

その言葉を聞いて急に泣き出す女の子。

ひどい…カンちゃん、昔はそんな言葉いう子じゃなかったのに…変わったんだね…一体だれが、カンちゃんをそんな風にしちゃったの?ユルセナイ…私のカンちゃんなのに…昔のままのカンちゃんがよかったのに…!

な、なんなんだこいつ…急に泣き出したかと思ったら今度は怒って…
とりあえず一緒にいないほうがいい…

幹汰は少しずつ奥へ奥へと進む
すると、そこには3人の女の子たちが待っていた。

あー幹汰だーやっときた!!待ってたよー!

カンター!やっほー!

オッヒサー、私だよわ・た・し・!

増えた!!!!なんだ、この子たちは…

えっと、君たちは?

私が本当の幼馴染よ!

なに言ってんの?私が本当の幼馴染よ!!

いやいや。わたしだって!!

え・・・・・・。幼馴染?仮にいたとしてもこんな人数いないだろ。
それに、さっきの女も幼馴染だって言ってた・・・

っていうことは、この中にいる4人中
本物が1人いるってことか?

一体だれなんだよ・・・・

第3話へ続く

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水樹

最初に絵を描き始めたのは小学生の頃でした。 それから、自分の世界観を文字におこしたり、絵にするのが趣味になっています!!

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