妖魔捜査官 廃校の闇 第九話 雪女とヴァンパイアロード

ACT8 悪夢再び

……ここはどこだ?

僕が目を覚めると、あたりは暗い廊下。

窓ガラスにはひび割れが見え、教室も見える。

僕はここに今一度来たことがある

まさか……G中学廃校じゃないよな?

ゆっくり立ち上がり、まわりを見る。

何もない、静かすぎて不気味だ。

その時僕の目の前でボッと青白い火の玉が現れた。

目印だろうか、それとも

まさかな

僕は歩きだした。

床がギシギシと耳障りする音がうるさい

僕は夢でもみているのか

ねぇ

おい

凛とした女の声と、地のそこから這い上がるような低い男の声

デジャヴだ。

だが、予感は収まらない

私を視て

俺を視ろ

背後だ、いるぜこれは。

ぞくりとした悪寒が走る

振り向いてはいけない

夢ならいっそ、覚めてくれればいいのに。

刹那、目の前

御札が貼られているドアだ

一度、僕はここで裕翔と探索した。

また開けようとしている

そうだ僕はポケットから御札を取り出した

ここに貼ってはいけない……

勢いよくドアを開ける。

中には額縁と棺が置いてあった。

念のためロザリオネックレスも出す。

誰かが言っていた

モノを持ってきてしまうと霊が憑きやすい

封印されていた、眠っていたのはきっとウソ。

僕は直感を信じ、そっと歩く

何をするの?

無駄な事を

僕は声を無視して額縁と棺にむかい額縁に御札を貼り棺の上にロザリオを置く。

さぁ、手を合わせ黙祷

勝手に持ち出してすまない。もう二度と拾ったりはしない

私と目があった以上、離れることはできないわ

物を置いたところで、全ては変わらない。俺の居場所はお前だ

僕は黙祷が終わったあと、目を開く……

ふたり、しかもあの恐ろしい本当の姿で

ACT8-2 逃れられない

女幽霊だと思っていたのに、いつの間にか雪女になっていた

吸血鬼に即位があるとは、知らなかったがロードはきいていない

佐久夜……クライヴ……

僕はおもわず自分があの時、裕翔になんて声をかけたか思い出す。

一番ビビって、僕を心配していた。

しかし、ある発言に違和感を覚えた

いま……白い着物の女黒い燕尾服の男……】

(白い着物と黒い燕尾服だと?)

僕の考えでは、白装束東洋と燕尾服西洋は死者が着るもの

もしや二人はあの時、僕にウソをついていたとでもいうのか

あの時、僕に言ったよな。佐久夜は額縁の絵に描かれた怪異。クライヴは目覚めたばかりの吸血鬼。裕翔の前でなぜ、あの姿になった?ダマしたのか

すると、佐久夜は宙に浮き妖しく笑った

バレても仕方ないわね。そうよ。私は幽霊なんかじゃない。最恐の雪女なの。あなただって凍らせることも可能なの。封印を解いたあなたが悪いわ

佐久夜が、口から冷たい冷気を吹きかけた

僕は急いでかわし、別の場所へと逃げる。

だがそれを阻止するかのごとくクライヴが背後で僕の両肩に手を置く

ロザリオを拾った時のゆなは、肝が座っていたな。だが、俺は我慢ができなくなっていた。あれは口実にすぎない本当はお前を味わいたかった!

クライヴが、口から鋭い犬歯を出し僕の首を嚙みついた

くそっ……油断した。寒いし、血の匂いはキツイし

すると、僕の足元に白い手がにゅっと掴む

佐久夜が妖しくほほえむ

本当は、男を凍〇させるはずだけど。ゆなちゃんが可愛いから

身動きがとれなくなっていた。

僕は最初からダマされていたのだ。

佐久夜は優しく冷気を吹きかけ、どんどん美しくなっていく

なんて甘美だろうか。ゆなは、俺の腕の中だ

クライヴが僕を抱きしめ、目を血走せ首筋に舌を絡め吸血。

どんどん恐ろしくなっていく

悔しくなった僕は、観念してついに悲鳴をあげていた

アイキャッチ挿絵:花の月様https://no-value.jp/author/0010290006/

色付け:幽刻ネオン

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幽刻ネオン

はじめまして、趣味は読書(ミステリー、ホラー、怪奇小説)とゲーム(リズム、ノベル)です。最近までネットで小説をかいていました。自閉症、トランスジェンダー持ちではありますが、無理なく仕事ができるように訓練しています。スピリチュアル(占いなど)が好き。 アニメ(ラブライブ)やゲーム実況(にじさんじ)にはまってます。 紡ぎ手として様々なことに挑戦していきたいです。

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