猫耳少女は夢をみない。#3

#3   「ハンター」

ラナは無事かな・・?

そうだといいんだが………………

俺たちは、ハンターの話し声が聞こえる場所に立ち会っていた。

こいつは上物だな!
キレイな赤い眼をしている………

魔王さまも、お慶びだろうよ………
今回は片目だけでいいんだろ?

そのはずだが………

まずは、このガキを起こさないとな………

そうだな、意識がある内に
刳り抜いたほうが快感あるしな!

お前、ガキをおこしておけよ。
俺はほかに侵入者がいないか見張っておく

おうよ・・・

ハンターの1人が見張りをしに、俺たちがいる先へ来るので
俺はヘンリーの口を塞いで静かに足音も立てずに逃げた。
ルージャは、隠れながらずっとラナを見ていた。

何とかして助けてあげたいわ………

でも、どうやって・・・?

私が囮になる!!その隙にラナを!!

バカ言うな!
そんなことしたら君が危ない!!

じゃあ、王族のあなたが囮になるっていうの??

ああ、俺なら傷つこうが構わない………

小声で作戦会議をした。
危険だと言われても、女性に行かせるより俺が行くほうがマシだと思った
それに、これ以上…ルージャの悲しそうな顔は見たくないし…
猫耳族の減少や、猫耳族達が傷つくニュースは見たくないんだ。
俺は、そっとラナに近づき耳に静かに話しかけた

落ち着いてきいて、俺は王族の青海輝
君の友達…ヘンリーの依頼で君を助けにきた!!
どうか、このまま寝たフリをしていてほしい…

ヘンリーが・・・?
僕が攫われたことをみんなに呼び掛けてくれたんだ!!!

もう一人のハンターは、見張りに行ったハンターを待って居眠りをしていた。
その隙に…俺はラナを肩に乗せて足音を立てずに素早く逃げた。
その先には、ヘンリーとルージャが『こっちだ』と手を振って道案内してくれている…
見張りと遭うこともなく俺たちは全員救出できた。
死呪怨の近くから離れて俺たちは安全なニャルタウンに息を切らして着く

はぁはぁ…

はぁはぁ…ラナ、無事かい?

う、うん…王族の…おにぃちゃん…ありがとう

確認のため、これから医者を呼んで君の身体を検査したいんだけどいいかな?

うん………

ラナーーーー無事でよかったよおおおおお

本当に無事で良かったわ………

ルー?!え、とあの、そ、の・・・・・

元気みたいね…安心した

う、うん…ルーもありがとう…

ヘンリーはラナに泣きつきながら抱き着いて…
ルージャは、ラナの頬に手を触れていた。
しばらくの間、3人の時間を作り…それからラナの検査を王宮でした。
結果は異常なし。
血塗れの服にはなっていたが、両目どちらも刳り抜かれてなく
俺は安心した。
このことが切欠で、猫耳族達が俺に話しかけてくれるようになった。
特に、彼らのなかでは“王族“を毛嫌いしている一部の猫耳族達がいるようだが………
前は2人しか話しかけてくれなかったのが今じゃ精々……50人くらい
ラナを助けたことから、ラナの両親にはすごく良くしてもらえて
何度か晩餐会を一緒に済ましたことがある。
これからもこの関係は続くだろう………………………………

あそこ、死呪怨の洞窟は取り壊しが決定し明日に
工事員の人が来てあの洞窟を壊す予定だ。
そしてその洞窟で多くの猫耳族を狩っていたハンターは何と猫耳族だった。
魔王様に洗脳され同胞達の目を狩っていたことも忘れている。
操られていたと聞く………
猫耳族からは、ハンターは裏切り者!と顔と名前が書かれているチラシやデモ活動が始まった………
ハンターの彼らは、操られるまでの記憶はないが
操られてからの記憶は残っており積みを認めている。
彼らは、王族の警備隊に捕まりいまは一生出ることのできない牢獄に閉じ込められている。
この2人は悪さがしたくてもできない状態にいるが
話を聞くと他にも似たような洞窟があり
そこで目を狩っているハンターがいるらしい。
猫耳族のハンターは、彼らが最初で最後………
他は人間だという。
俺は、王族の人間でハンターからも猫耳族からも半ば怯えられている存在だ。
だから、俺は視察をするとき変装したほうがいいのだと思い
猫耳族と話す時はつけ耳をつけて
普段とは違う格好をし接しやすいもう1人の自分を作った。
このことは、
父さんとルージャ以外誰も知らない………………………

よくやった!!輝!!ハンターを捕まえるだけでなく
レッドアイの子を救いだした!!
この調子で、国の調査や猫耳族の動き
そして、元ギリタンラン国の人間で
悪さをしている愚か者がいないか視察を頼んだぞ!!

はい、父さん!!

・・・・あいつばっかり・・・・

あれから、よくラナとルージャと話すようになった。
2人を俺の特別な場所に招いて、王宮で決まったことなどを話している。

そうだ、ラナ……
まだ決まったことではないんだが聞いてくれないか?

輝様!!なんでしょう?

俺たちだけのときは、
かしこまらなくていいって言っただろ(笑)

あ、そうだった。
みんなの前でも……この癖ぬけなくって・・

ハハッ(笑)
実はな、この間みたいに君がハンターに出くわさないよう
常に付き人をつけないかって話になって。

付き人・・・?

つづく

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水樹

最初に絵を描き始めたのは小学生の頃でした。 それから、自分の世界観を文字におこしたり、絵にするのが趣味になっています!!

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