猫耳少女は夢をみない。#4

#4    「付き人」

付き人・・・?

ハンターに聞いたんだが、
ランクの高い順に瞳狩りをしているようだ。
レッドアイはその中でも高級で
両眼赤い瞳を持つ猫耳族は滅多にいないらしい。
レッドアイは、危険と共に生きている…
また、この前のようなことにならないようにも
君の側に常にいる付き人をつけてみないか?

俺は、この案を父から聞いた時に正直ホッとした。
ラナは運よく狩られずに済んだが
1人にしたらまた誘拐されるんじゃないか…。
次は助けられるか分からないし………
引っ掛かるのは付き人の種族だ。
なぜ彼女にしたのか………

僕、男なのに守ってもらうなんて情けないけど…
パパとママに心配させなくてすむならその案件のむよ。

いい子ね………ラナ………

レッドアイに生まれた運命ってやつかな………
付き人が猫耳族だったら
安心して背中を預けられるし………

そのことなんだが…
落ち着いて聞いてくれ…
俺の父さんは、
君の付き人に人間の異性をつけようとしている。
彼女の名前は、ラディア・ミコノエル。
生まれが外国だが育ちは元ギリタンラン国
これが…彼女の写真だ。

“人間の異性”という、キーワードを聞いたラナは
さっきまでの笑顔が一瞬にして消えた。
写真を無言で受け取ってラディアがどういう人間なのか考察している…
そして口にしたのは、写真についてだった

彼女、どうして黒い手袋しているの?

彼女は、ネコミミ検定の合格者で
君たち猫耳族について知らないことはない…
その手袋は君たちの猫耳をうっかり触って
猫耳族を消さないための工夫らしい

人間にしては珍しい……
勉強していたことにも関心だけど
ちゃんと私たちについて知ったうえでの工夫なら安心だわ。
私は、当事者じゃないけれど……
ラナが狙われずに済むならこの件いいと思う

ルージャ!!

そこまで僕らのことを知っているなら安心かな。
一度会ってみたい気もするけど

猫耳族の2人はラディアを受け入れた。
俺はラディアについて、持っている情報を全て明かした!!
“会ってみたい気もする”と言葉を聞いたので、この子が来る日を教えた。

いつになるかはわからないが、
ラディアがギリパナ王国に1人で見学に来る日がある。
情報が入ったらまた教えるよ。
その日は1日見学して終わるようだけど
君の家とかは知らないだろうから、
写真と同じ子がいたら
まず家に招待してやってくれないか?

わかった!!

こうして、俺はラナに重要な情報:付き人についてのことを
持っている情報を明かし2人に知ってもらった。
人間も、悪い人ばかりじゃないんだよって……
その悪い例に、ハンター(人間)がいるから
間違いなく法を犯している人物はいるんだろうけど……

そうだわ、ねぇ……輝・・ラナ
私たちのグループ名を決めましょう!!!

グループ名・・・・・???

ええ。
輝だけではなく、
私たち3人にお仕事の依頼が来たとき
グループ名があったほうが動きやすいでしょ???

そうだね。
これから、この国を変えていくにつれて
君たち2人のチカラは必要だからね……
グループ名か……
覚えやすくて分かりやすいものがいいね

ラルルは・・・?

ラルル・・・??なんの由来・・・

輝のル・・ラナのラ・・私、ルージャのル。合わせて、ラルル

いいんじゃないかな?
ね、輝!!

そうだね、いいと思うよ!!

じゃあ決定ね!!

僕たち3人のグループ名が決まった!
ラルルだ。
まだ、この2人には話してないけど
この国を塗り替えた時猫耳族の証言が必要になる
そのときに重要な証言者になってもらうこと………
そして、俺の友達であることを………証明してもらいたい。
当分の目標は、国を作り変えて兄に変わってもらって………
猫耳族と人間が分かり合える!!そんな未来にしたい…………

じゃあ、今日はこの辺で!

打ち合わせはお開きになり、また明日約束の時間に合うことになった。
朝の刻になると………
何やら国が騒ぎ始めたのだ。
それはニュースで、ラディアが来日することになったから。
ニュースの時は、許可が下りなかったのか顔写真は映らなかったけど名前は完璧に出た。
俺も起きてから、側近から聞いたので急な来日のようだ。
このことをラナには伝えないと!
そう思い伝書鳩を飛ばした。

パタパタパタ———-

あ、輝様からだ…………

やっぱり、ラディアのことだった。
輝も、さっき聞いたばかりのようだね…
顔を隠した姿で来日するなんて…
一体なにを考えているんだ・・・・・??
僕らの事を知っていろいろ工夫しているならなんで顔を隠す必要がある??
本当に、ラディアを信じていいのか…わからないな…

ラナ!どこにいくの??

僕の付き人に会いに…

気をつけるんだぞ!
なんなら、父さんもついていこうか?

いいよ…1人でいくから

バタンッ

あなた、過保護すぎよ……
あの年ごろよ?
1人でやってみたい時期がきたのよ

そういうがなぁ…この前の誘拐事件。
輝様が見つけにいかなかったらと思うと…

心配しているのは、あなただけじゃないわ…大丈夫、私たちの子よ!
強く生きてくれるわ!

そうだな!!ラナを信じるって決めたしな!

ラナは、自分の家を出て付き人になるラディアを探しに行った………
ラディアもそこそこ有名で1人で王国を訪ねることはしないだろう………
とすると、やはり変装をしているはず………
普段とは違う格好でこの国の住民なら、しないミスをしているはず………
そう思い、周囲に気をつけて見ているがラディアらしき人物はいなかった。
ちょっと遠くまで散歩をしに行こう………

来日が決定したけど今いるとは限らない!!!!!
そう思った、ラナは買い物を済ませた

あなたがラナくん・・・?

買い物袋を受け取って家に帰ろうとしたラナに、女の声で話かけられる………
頭を見ても猫耳がなかったので…“猫耳族”ではないことが判明

どちらさま・・・?

私よ!私!!!

つづく

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水樹

最初に絵を描き始めたのは小学生の頃でした。 それから、自分の世界観を文字におこしたり、絵にするのが趣味になっています!!

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