皆さんは、サンタさんのイメージと聞くと、どのような想像をしますか?大勢の人は、トレードマークの赤いポンポンのついた帽子と真っ赤な服装をした優しいおじいさんをイメージをすることでしょう。
今日はそのサンタさんが、いつもの赤い服──ではなく、私服に身を包んだサンタさんのお話をしましょう。
「──寒いのう」
びゅうと風が吹き、散歩中の一人の老人が寒さのため体を縮こませる。
「こんな日は、暖かい部屋で過ごすのが一番じゃ」
独り言を言い終える前に腹の虫が、抗議をするように音を鳴らした。
「……何か食べるとするか」
老人──いや、サンタクロースと呼ばれているその人は、目についたファミレスに足を運ぶこととなった。
──ゆったりとしたソファ席に案内され、店員に一通りの説明をされた後、
「お決まりになりましたら、こちらのボタンを押してお呼びくださいませ」
店員が席を離れるのを確認をした後、彼はメニュー表をおもむろに開いた。