最近よく耳にする「推し活」という言葉。
友達や職場の同僚が、目を輝かせて「推し」について話しているのを見聞きした経験のある人も多いはずです。
でも「推し活」をした事がない人にとっては、どういうものなのかわからないですよね?
また、興味はあっても何をどうしたらいいのかわからない方もいるのではないでしょうか?
本記事では、そんな今さら聞けない「推し活」についてを深掘りし、その魅力や注意点をご紹介します。
1.推し活とは?
まず「推し活」ってそもそも何なの?というと、自分の好きなもの中からイチオシ(推し)を決めて、その対象をさまざまな形で応援する活動の事を言います。
推し活として応援する対象は、
● アニメなど二次元のキャラクター
● アイドルなどの三次元の人物
● 動物や鉄道などの人物以外
が主に挙げられます。
二次元はアニメの他にゲーム・漫画のキャラクターで、三次元は、アイドルや俳優、声優、ミュージシャン、スポーツ選手・歴史上の偉人などです。また人物以外は、鉄道や建造物、動物といった少しマニアックなものを推し活の対象としている人もいます。
2.推し活では何をするの?
さきほどご説明した通り、「推し活」は推しを応援することなのですが、一口に応援と言ってもさまざまな形があります。
ここでは、大きく分けて5つある推し活の方法をご紹介します。
①「推しに会う」
これは、代表的な応援の仕方です。
例えば、推しがアイドルやミュージシャンなら、「コンサートに行く」、「ファンレターやプレゼントを送る」二次元なら「作品鑑賞」、鉄道なら「好きな路線に乗ってみる」などが挙げられます。ダイレクトに推しと接触する形です。
②「推しに触れる」
「グッズを買う」「グッズをコレクションする」「グッズを作る」「写真や動画を見る」などです。
1人で、あるいは友人など身近な人と生活の中で楽しむやり方です。
③「推しに染まる」
「概念推し」とも呼ばれるやり方で、推しと同じ服を着る、グッズをカバンにつける、ファッションを推しのイメージカラーで統一する、などが挙げられます。自分を推し色に染める感じですね。
④ 「推しを広める」
SNSで推しの魅力を語る、推しの動画を拡散する、知人に推しを勧める、などのやり方です。啓蒙活動のニュアンスです。誰でも大好きなものは誰かにおすすめしたくなりますよね?
⑤ 「推しを感じる」
「1人静かに推しのことを考える」「推しの尊さを噛み締め推しの存在に感謝する」などです。
これは、片思いしているときに好きな人のことで頭がいっぱいになる感覚に近いのかも知れません。
3.推し活にハマる心理
人は「愛し、慈しむ存在」を無意識のうちに常に求めています。
家族や友人、パートナーや子どもはもちろんその対象ですが、身近な存在の人にはつい見返りを求めてしまいがち。一方で、推しは遠い憧れの存在。見返りを求めず、ただ心の中で「愛し、慈しむ」事ができます。その感情を感じることが、活力源になったり癒しになったりします。
そのため、勉強や仕事、家庭生活の中で忙しい時期を乗り越えてひと段落ついた時に、単調な生活に飽きて生き甲斐を見失ったタイミングで推し活にハマる人が多いようです。
また、魅力的な有名人がたくさんいるなかで、推しに強烈に惹かれてしまうのは、どういう心理なのでしょう?
それには、コンプレックスと憧れが関係しています。
例えば、ルックスが良くて歌も楽器もダンスも上手い憧れていたアイドルが、生配信で、整理整頓が下手で怒られた話をしていたとします。
憧れで見ていたその人の欠点を知り、「自分もそういうとこあるな…」と共感して親近感が湧きます。そしてますますハマってしまうのです。
これは、心理学用語で「投影」といって、「自分と似たタイプの人に惹かれる」という現象で、それに憧れの感情が織り混ざった状態です。
つまり推し活は「現実の自分自身」の要素と「なりたい理想の自分」の要素が入り混じっている人を「推し」として「愛し、慈しむ」という事です。
4.推し活のメリット
推し活によるメリットはさまざまあるようです。
まず第一に「メンタルへの好影響」が挙げられます。
とあるアンケートによると「人生が豊かになった」「人生に充足感を感じるようになった」「つらい時に推しに癒される」「行動がアクティブになった」「仕事や学業などを頑張れる」などの声があるようです。
前述したように、「愛し、慈しむ」という感情が、「癒し」や「活力」に繋がっている事がわかります。
第二に「孤独感の解消」です。
同アンケートによると「共通の趣味を持つ友人ができた」という声もあるようです。
活力が湧いて行動的になり、ライブやイベントに行くことや、グッズ作りや推しの絵を描いたりする2次創作活動を通して、仲間の輪が広がっていきます。
そして第三に、「自己理解」が挙げられます。
先ほど『「現実の自分自身」と「なりたい理想の自分」の要素を持っている人に惹かれて推しにする』とご説明しました。
ですから、「自分は推しのどこに惹かれているんだろう?」という視点で理解を深めていくことは、最終的に自分自身が無意識で感じているコンプレックスや理想に目を向けることができるのです。
自分を知ってそれを受け入れていくことは、自分自身の成長にも繋がりますから、とても大切なことです。
推し活ってなんだかとても魅力的ですね。
5.推し活するにあたっての注意点
推し活がとても魅力的なのはわかりましたが、注意しなければならないことはどんなことでしょう?
ここでは、推し活をする上での注意点をご紹介します。
まず押さえておきたいのは、「著作権と肖像権」です。
推し活の一環で、2次創作のような楽しみ方があります。
手先の器用な人はオリジナルグッズを作ります。絵の得意な人は推しの絵を描く、音楽が得意な人は推しの曲を耳コピーして演奏したりして楽しみます。
自宅で一人で楽しむ分には問題ないのですが、グッズや絵を配布したりSNSで公開することや、音楽を演奏したものをSNSで公開したり、公の場で演奏することは、著作権や肖像権を侵害するおそれがあります。
権利元とコンタクトを取り、許可をとりましょう。
なかには「著作権フリー」や「同人活動のみOK」もありますし、音楽ライブで「この曲のみ撮影OK」などその媒体によってルールがありますのでしっかり確認しておきましょう。
次に大事なのが「ハマりすぎないこと」です。
推し活に勤しむあまり、家事や仕事が蔑ろになったり、課金のしすぎで家計を圧迫して家族や友人に迷惑をかけたりしたら大変ですよね。
また、YouTuberなどネットで活動している人はファンと距離感が近く、SNSでやり取りできることもあります。構って欲しいあまりに異常にDMを送り続けたりするとストーカー行為にもなりかねません。
節度を持って良識的に行動することを大切にしながら活動していきましょう。
6.まとめ
推しへの愛は、活力や癒しに繋がり、推し活することで、より活動的になり充実感が得られます。交友関係も増え、社会的にも精神的にも孤独から解放されます。
また推しを深く理解することで、自分自身と出会うことに繋がり心の成長へと導かれます。
リスクもありますが、それはどんな活動にもつきものです。
良心に照らし合わせて常識をわきまえた行動を心がけましょう。
今回はとても魅力的な推し活の世界をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
本記事をお読み頂き、興味が湧いた方は、まず自分の好きな分野からお気に入りを探して、推しを見つけてみてはいかがでしょうか?