性格
ヒマラヤンは温和でおっとりした性格をしています。陽気な性格のシャム猫の血を引いているので、他のペルシャ猫よりも人懐っこく友好的です。赤ちゃんや他のペットとも仲良く過ごせるのでファミリー層や初心者さんにもおすすめの猫になります。鳴くこともほとんどなくて、物静かな猫になるので、マンション(ペット可)に住んでいる方にもおすすめできます。ヒマラヤンの鳴き声は「ミュージカルのように」と例えられるほど静かで綺麗な音を立てます。しかし、マイペースな一面もあり、運動はあまり好まない傾向があります。少し神経質な部分もあるので、騒がしい環境は苦手なので、リラックスできるスペースを用意してあげるようにして下さい。
特徴
ペルシャ猫譲りのふわふわでゴージャスな被毛と、シャムネコ譲りの「ポイントカラー」が特徴的なヒマラヤンは、穏やかで上品な雰囲気を持っているのです。
体格・サイズ
ヒマラヤン猫の体型はペルシャ猫の血を強く引いています。丸いぽっちゃりとした体でとても愛らしいスタイルですが、実際は筋肉質でがっしりとした体形型をしています首や足は短くて、大きくて真ん丸な頭も特徴的になっています。体重はオスが約4.0~6.1㎏で、メスが約3.2~5.0kgになります。体長は成猫の時点で約60~80㎝となり、猫の中では中型から大型くらいのサイズになります。
顔のタイプ
一つは「ドールフェイス」
ヒマラヤン猫は顔のタイプが2つに分かれています。
ドールフェイスは「トラディショナル(伝統的)」とも呼ばれ、猫らしい顔立ちで鼻筋が通り、丸みのある可愛らしい表情を持っています。日本で見るヒマラヤン猫の多くはドールフェイスと言われています。
二つ目は「エクストリームフェイス」
ペルシャ猫の影響が色濃く出ており、ぺちゃんこの鼻と小さい耳が特徴的です。このタイプはアメリカなど、海外で多くみられています。美しいサファイアブルーの瞳をしているのもヒマラヤン猫の魅力になります。
毛色の種類
一番に目がいくのがゴージャスな被毛になります。被毛は長くて分厚く、滑らかな手触りをしているのです。首回りの飾り気も魅力的です。また、ヒマラヤン猫の毛色の最大の特徴ともいえるシャム猫譲りのポイントカラーは耳、足先、尻尾についています。カラーは豊富でシール、ブルー、ライラック、チョコレート、クリームなど様々になります。
歴史
ヒマラヤン猫は、ペルシャ猫とシャム猫の交配によって作出された猫になります。独特なポイントの毛色が「ヒマラヤウサギ」に似ていることから名前が付いたのです。原産国はアメリカとイギリスの両方だと言われています。1920年代にスウェーデンの研究者が、ペルシャ猫の美しい被毛とシャム猫のポイントカラーを併せ持った猫を作出する目的で交配を行いました。しかし、ペルシャ猫のロングコートとシャム猫のポイントカラーは、どちらも劣性遺伝だったことから、上手くいかなかったのです。その後、アメリカやイギリスのブリーダーがうわさを聞きつけ、それぞれの国で育種が開始されることになったのです。イギリスでは早い段階で「クメール」呼ばれるシャム猫とペルシャ猫の交雑種が存在していたのですが、本格的に育種されるようになったのは遅かったため、1955年になってからイギリスの猫血統登録団体(GCCF)に登録されました。アメリカでは、1935年にハーバード大学の協力の元、ヒマラヤン猫の原型となる長毛のポインテッドの猫が誕生したのです。当時生まれた時は「デビュタント」と言う名前で呼ばれていたようなのです。現在のペルシャ猫よりの顔立ちではなく、シャム猫よりの顔立ちをしています。現在のヒマラヤン猫の形になるには30年という歳月がかかってしまいました。1957年にはTICA(血統登録機関)やCFA(猫登録協会)に公認されましたが、ヒマラヤン猫とした独立した猫種ではなく、ペルシャ猫のバラエティの一つとして位置付いたのです。
(※)劣性遺伝(潜性遺伝)とは
病気の原因となる遺伝子が常染色体上にあり、一対の遺伝子両方に変異があると発病する遺伝子形式なのです。
【劣性遺伝子の特徴】
・優性遺伝(顕性遺伝)に比べて形質が現われにくい遺伝子になります。
・父親と母親から受け継いだ2つの遺伝子のうち、両方に異常があった場合には病気をが発症します。
・片方だけが変化を持つ遺伝子である場合には、病気を発症しないことを保因者と言います。
・保因者の両親からは、25%の確率で罹患児が出生する可能性があるのです。
【劣性遺伝の例】
・ライソゾーム病では、ゴーシェ病、ポンぺ病、ムコ多糖症I型など常染体潜性(劣性)遺伝などがあります。