性格
サルーキ犬は知的で落ち着きのある犬種なのですが、やや繊細でプライドの高い一面もあります。家族に対しては深い愛情を示すのですが、家族以外の人や動物と接するのは苦手です。また、狩猟本能を持つサイトハウンドなので、遊びや屋外での運動させると活発に動きます。
サルーキと一緒に暮らす上での注意点
走ることが大好き
サルーキ犬は狩猟犬であったため走ることにとても長け、運動欲求も高い犬種になります。散歩に行くときは、1日30分以上を2回に分けて行い、時折ドッグランなどで思い切り走らせてあげてください。ただし、時速70㎞にも達する走力を持っているサルーキは、脱走の危険性も高い犬種になります。外に出る際には、リードがしっかりつけられているかを確認することが必要になります。万が一リードが緩んでしまった場合にも必ず呼び戻せるように、日頃からトレーニングをしておくことが大事です。
寒さは苦手
スリムなボディラインを持つサルーキは皮下脂肪が少ないので、寒さが苦手な犬種なので、散歩に行くときには、洋服の着用がおすすめです。
飾り毛のコーミングは念入りに体臭や抜け毛の少ないサルーキは、被毛のお手入れがしやすい犬種になります。ただし、飾り毛のあるフェザードタイプは細く絡まりやすい毛質になるので、コームなどで週に1~2回は優しくとかしてあげてください。
特徴
サルーキ犬は、優れた視覚と走力を使って獲物を捕らえる「サイトハウンド(視覚ハウンド)」と呼ばれるグループに属しています。一切、無駄のないスリムなボディラインと優雅な飾り毛が特徴で、四肢は細長くて、気品が感じられる見た目をしているのです。
大きさ
サルーキ犬の体重は15~25㎏の大型犬で、ジャパンケネルクラブ(JKC)で、体高は58~71㎝と規定されています。
被毛・毛色
中東原産のサルーキ犬の被毛は、上毛のみからなるシングルコートで、強い紫外線や寒暖差から体を守りつつ速く走れるよう、体幹に張り付くように生えています。毛質は飾り毛(フェザリング)を持つフェザードと、飾り毛のないスムースの2タイプがあるのです。毛色はホワイト、ゴールド、クリーム、フォーンなどの単色に加え、タン・マーキングを持つタンカラー、3色からなるトイカラーなど多くのカラーがあります。ただし、虎毛のようなブリンドルだけは好ましくないとされています。歴史の中では遊牧民とともに各地域で発展を遂げてきたことが影響し、毛質や毛色に様々なバリエーションが存在するのもサルーキ犬の魅力の一つになります。
歴史
サルーキ犬は、すべての中でもっとも古い犬種になります。イスラム教では、犬は不浄の動物とされているため、中東を原産する犬種は極めて希少なのですが、その中でサルーキは特別な存在として扱われてきました。サルーキの起源は、現在のイラク南部にあったシュメール文明(紀元前6,000年頃)まで遡ると言われています。当時の遺跡からはサルーキに似た犬の彫刻が発見され、紀元前2100年頃の古代エジプトのファラオの墓から、サルーキのミイラが発掘されたことから、人と暮らした最古の犬種と言われました。このように、犬は不浄の動物とされる中東諸国でも、サルーキは「アラーの神から遣わされた特別な犬」として人と同じ場所で眠ることを許されていて、エジプトの王族と一緒に埋葬された歴史があるのです。また、サルーキは時速70㎞ものスピードで走ることができ、ガゼルの狩猟としても活躍してきたのが、「ガゼル・ハウンドやペルシアン・グレーハウンド」と言う別の名前でもあります。そんなサルーキは長い歴史の中では、中東の各地域で暮らす遊牧民に飼育され、その土地で行われる猟に合わせて進化を遂げました。そのため、サルーキは同じ犬種の中でも地域ごとに特徴を持つようになったのですが、バリエーションをまとめてスタンダードとなる犬種が作られたのが1923年頃になります。この年にイギリスケネルクラブが正式に登録され、1927年頃にはアメリカンケネルクラブに登録されたのです。